読み物
最終更新日:2022年2月22日
絵・写真・文:いろや商店の編集室
れんさいプロジェクト:旅する自由研究ノート
どんな生き物がいるの?海の生き物に会いに三浦半島へ遊びに来ました
海と人が接する海岸で、海の生き物を探す遊び
この、旅する自由研究ノートのテーマは「自然」ということで、これから日々「自然」について知識を深めていきたいと思い、自由研究のテーマとして人気のある「海」に今回は来ることにしました。
前回の山から今度は海へ移動。サーフィン、釣り、スキューバーダイビング、クルージング、灯台巡りなど、海では色々な遊びはありますが、海へ行って歩くだけなら、交通費はかかりますが、無料(場所によって駐車場代はかかるかもしれませんが...)です。
海にはどんな生き物がいるの?こどもと一緒に海へ行き、生き物に会うことを通して、人と海の接する海岸での不思議を見つけていけたらと思います。
いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ご覧いただきましてありがとうございます。
育児・子育て苦手な店長が、こどもが主役で書いてますのでゆっくりご覧くださいませ〜。
こどもと、磯で海の生き物をさがす遊び
海の生き物といったら真っ先に思い浮かぶのは「魚」ですが、海へ行ったからといって、魚は目の前で泳いでいません。
魚を見たい場合は、海へ行くよりも水族館がおすすめです。
そして、海へ遊びに行くと言っても海中に入るのは難しいので、海岸での生き物探しが中心になります。
遊べる場所と言ったら、砂浜・磯場・防波堤とありますが、今回は磯場を中心とした遊びを紹介しようと、都内から車で1時間弱ほど走った先にある神奈川県三浦半島に遊びにきました。
「海と暮らす国、日本。こどもとの海遊びは夏休みだけじゃない、海は身近な遊び場」でも書いていますが、海にサッと行けるのは本当に嬉しいですね。
磯場で生き物探しをすると、魚以外にもたくさんの生き物がいることを教えてくれます。
海の生き物というと、サメやクジラ、マグロなど大きくな魚がこどもにとってはわかりやすく、海の生き物!と覚えやすいですが、実際に行くとその印象も変わります。例えば、カニ、貝、ヤドカリ、昆布、ワカメ、ウニなど、これらも海の生き物です。普段食卓に出てくるワカメも昆布も、海の生き物。
海にはいろんな生き物がいるということを知るだけでも、海を身近に感じることができます。そして、採集可能な生き物は家に持ち帰って観察するのも良いですね。
ということで、今回は海にいる生き物を探す旅に出ています。
はじめての磯遊びでも安心!都内から近い海の生き物探しなら、神奈川県の三浦半島へ
今回、お知り合いの方から「三崎の磯の動物ガイド」という本を息子がいただいたので、実際にその本に載っている生き物を見に行ってみようというのが三浦半島へ行くきっかけでした。この本に掲載されている生き物は、東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所の周辺の磯で採集した生き物とされてましたので、近場へ行って確かめてみることにしました。
神奈川県の三浦半島は、東京湾と相模湾とを分けた場所に位置していて、太平洋に向けて突き出し、昔から釣り場としても有名です。店長が青森にいる頃から耳にする釣り場もたくさんあり、一度は来てみたいと思ってました。
三浦半島でも東京湾側に近く、日本最初の洋式燈台、観音埼灯台が有名な「観音崎灯台側(ポイント1)」と外洋に近い「城ヶ島側(ポイント2)」があって、今回はそれぞれ両方に足を運んでます。
こどもと手軽に遊ぶなら、ポイント1の観音崎灯台側が良いです。
都内から第三京浜を利用して1時間ほどで着きますし、城ヶ島へ向かう渋滞に長い時間巻き込まれることなくスムーズに到着できます。駐車場(有料ですが)も複数箇所に広がっていて、車から降りたら目の前は海です。海岸線を走りますので、バイクやドライブでも楽しめます。観音崎灯台側は、前は海で後ろは森という、海だけに限らず森の中も歩くことができる自然観察にもってこいの環境です。バーベキューをしている人もいたり、釣りをしている人もいたり、お昼の用意がなくても、売店も揃っているのでこどもとの初めての海遊びの場所としても手軽に行けます。また、磯場に限らず小さな砂浜もあり、防波堤もあって、いろんな海遊びも体験できる気軽に遊べる場所です。はじめての海遊びに良いポイントです。
ポイント2は、釣りをするなら絶好の場所です。
メジナ(グレ)や、イシダイが釣れるポイントとしても有名で、本格的な釣り人もいます。
漁港の中に面しているため、駐車場の費用もかからず歩いて磯場まで入れますが、磯遊びと考えると少し足場も悪く危険な点も多いです。
磯遊びには絶好の場所ですが、海遊びでの経験が浅い場合は、ポイント1側の方が良いです。
どちらも、上空にはたくさんのトビが飛んでます。
ポイント1の森の中ではタイワンリスやウグイスが泣いています。息子曰く、「タイワンリスがトビを警戒していて鳴いているんじゃないか?」と言ってました。
森へ来て、生き物の鳴き声から森の様子を知れるというのは、森の一部になった気分で楽しいものです。
観音崎灯台側:ポイント1(海岸側から行くのが楽です)
城ヶ島側:ポイント2(城ヶ島の手前の地磯)
ポイント1は初心者向け、ポイント2は荒々しい磯場で遊びたい人向けです。
磯がある海には、山や川・森が近くにあることが多いです。磯場で遊んだついでに周辺の自然環境へ足を運ぶのもおすすめです。
磯場で海の生き物を発見!?
海で遊ぶなら防波堤を歩くより、砂浜や磯場へ出るのがおすすめです。
理由は、足元にたくさんの生き物を見つけることができるからです。磯場を歩くと、一見何も生き物の存在がいないように感じられますが、少し立ち止まって目を凝らしてください。色々な生き物がそこにはたくさんいます。カニを見つけたい人は岩の隙間に目を凝らしてみてください。少し静かにしていると、ソロソロとカニは顔を出して来てくれます。
そして、磯場には海水が溜まっている「潮だまり(タイドプール)」があり、この中では小魚をはじめ、ヤドカリ、ヒトデなどたくさんの生物を見つけることができます。ちなみに、磯場を歩く前に”こどもに言い聞かせることの一つ目「海藻に注意」”です。
磯場は足元が滑りやすく、特に海藻がついている岩(濡れていればさらに)は、ツルツルして滑りやすくなっています。磯用の靴(磯靴)を履いて歩いていない場合、かならず海藻の付いていない岩を選んで歩くようにしましょう。慣れるまでは必ず大人の人と手を繋いで歩くのをおすすめします。大人でも滑って転びますので注意が必要です。
磯場を歩いていると、本で見たことのない生き物を潮だまりで見つけることができるので、足元に目をこらしながらゆっくり歩きましょう。
見た目は、図鑑や標本などで目にする三葉虫にとても似ていますが、三葉虫は、カンブリア紀に現れて古生代の終期に絶滅していますので、三浦半島に今いるはずがありません。でも、世紀の大発見になるかもしれないので、気になった生き物がいたら写真に撮っておくといいですね。持って歩いていた「動物ガイド」を開くと「ヒザラガイ」のようでした。
海へ図鑑を持っていってどんな生き物がいるの?こどもと一緒に観察してみましょう。そして、観察と一緒にスケッチをしましょう。写真で撮って、楽しむのも良いですが、絵で描こうとすると、生き物をよく観察することにつながりますので、素早く移動してしまう動物は難しいですが、観察力の付くスケッチをして欲しいです。
写真はとても便利ですが、カメラの使い方を覚えるよりも、生き物の観察力を先に身につける方がこどもにとっては大切です。
スケッチをした絵は、これから成長して行くこどもの大切な思い出になります。家に帰ったら部屋に貼ってみんなで思い出話をするのも楽しい時間です。
こどもと遊ぶ磯場は危険がいっぱいです
磯場での遊びで”こどもに言い聞かせることの二つ目「絶対に走らない」”です。
上にも書いた通りで、磯場では足元が滑りやすく、突起物も多いので、ちょっとしたことが大怪我につながります。
防波堤を歩く程度なら良いですが、磯場を歩くなら何かあっても大丈夫なように最低限の物は身につけましょう。
- 長袖
- 長ズボン
- 磯靴(出来れば)
- 帽子
- (指先が空いた)手袋
- ノート・筆記用具
- 図鑑
- バケツ(とシャベル)
- ライフジャケット ※ 海へ行くときは必ず身につけてほしい
- 小型のライト
- 飲料水
磯場で遊ぶなら、長袖長ズボンです。
転んだ時に怪我をしないように、虫に刺されないように、そして夏場なら日差しから肌を守るように。
海に行くというとついつい軽装でと思いがちですが、山に行くのと同じくらい服装にも気をつけて欲しい場所です。
直射日光が激しく熱いので、水分補給はこまめに取る必要がありますし、足元はとても不安定です。
海での虫刺されはとても痒くて大変なので、虫刺され用の準備があると良いです。
特に、あつまってくる「ヌカカ」にはまとまって刺されますので、注意が必要です。
そしてライフジャケットは不要という方もいますが、こどもは夢中でカニを追いかけ足元がおろそかになりがちですので、気づかぬ間に波打ち際へということも多々あります。事故が起こってからでは遅いですので、油断をしないようしっかりと準備しましょう。
そしてあると便利なものは「箱メガネ(のぞきメガネ)」です。箱メガネは、海に限らず川でも使えますので、水の中を覗く道具でとても便利です。
どれも一度買えばずっと長く使えますので、命を守る道具だけは必ず買って遊びに行きましょう。
「【専門家がおすすめ・選び方を解説】人気の『海遊び(磯・砂浜・海水浴・防波堤)』おもちゃ・グッズを徹底比較」では、海遊びで必要な製品を紹介していますので、行く前に参考までにチェックして必要なモノを揃えて準備万端で行ってください!
こどもとの磯遊びなら、釣りをしてみる
海・磯場の遊びといったら釣りです。
店長にとっては、海へ来たら釣竿を出さないわけにはいかないということで、普段から車に積んでいる釣竿を持ち、仕掛けをセットして釣りをしました。
そこで”こどもに言い聞かせることの三つ目「ゴミは持ち帰る」”その辺にゴミをポイっとしてはいけません。
海へ行くとその広さに気持ちも大きくなるのでしょう。ゴミを自然に帰るから!などと勝手な理由でそのままにして行く人がたくさんいます。残念ですが、ゴミはゴミです。大人でもできないことも多いですが、海は大切な自然。美しい海があることで、私たち人間は美しく安全で安心した暮らしができます。
海はゴミ箱ではありませんので、”海へ何かを捨てる”という言葉はありえません。しっかりとゴミは持ち帰ることを大切に大人が率先して動きそれをこどもにも伝えましょう。
三浦半島は魚影が濃いことでも有名な釣り場ですので、様々な仕掛けで釣りを楽しむことができます。
ルアーとウキ釣りそれぞれ持っている中で、今回はウキ釣りにしました。釣れた魚は小さいベラの仲間でしたが、はじめて釣ったお魚にこどもは大興奮でした。
小型のお魚は海へリリースをして帰ります。
釣った魚と、魚が釣れた場所・天気・潮の流れ・深さなど自分が感じたことをノートにまとめて書けばそれだけで釣りノートの完成です。
自由研究のテーマを釣りにするなら釣りノートはおすすめです。
そして、帰ってもおそらく釣りをしたがると思うので、その時は家で釣りのおもちゃで遊びましょう。
釣り好きの店長が言うから間違い無し!
こどもとの初めての釣りなら、サビキ釣りがおすすめです。
一番安い釣竿と、サビキ釣り用の仕掛け、サビキ釣り用の餌があれば、3000円以下で釣りを始められます。
魚影の濃い磯場なら、投げ込めばどんどん釣れるので、こどもへのサプライズな遊びとしてもおすすめです。
海遊びの醍醐味を存分に味わうことができるでしょう。
ちなみに釣りをするなら、小さくても氷を入れたクーラーボックスを持って歩きます。釣った魚を持って帰り食べるなら、小型の魚はその場で締めなくても、氷を入れたクーラーボックスへ海水を入れ、冷たい海水状態の中にどんどん入れていきます。家へ持ち帰って料理して家族で食べれば、生き物のありがたさを感じることができます。
ちなみに、三浦半島では「アイゴ」という背びれに毒を持った魚がよく釣れます。
危険ですから注意してください。ちょっと針を取ろうと手を伸ばすと背びれを向けて来て刺して来ます!見るからに刺しそうな背びれをしていて、店長は見事に刺されて手が大きく腫れ激痛にのたうちまわりました。(苦笑)1時間〜2時間くらいは激痛で何もできなくなりますので、注意してください。
磯場での人との交流も楽しみましょう
磯場にいると、色々な人が声をかけてくれます。
とくに年配の方は知識も豊富なのでどこにどんな生き物がいるか教えてくれます。
この日、息子は採れたサザエをもらいました。磯場では隣で釣りをしている見知らぬ人も友人です。情報交換をしてその日の海の様子を教えてもらえると、遊びの幅も広がります。
その日は、釣りをしている足元で素潜り漁が行われ、そこにいたおじいちゃん達は呆れかえっていました。
サザエを餌に石鯛を釣っているそうで、6kgという大物も目の前で釣れたとのこと、その目は真剣そのもので、その日の素潜り漁にはとても怒っておられました!
その場での人との出会い・交流も、海では楽しい出来事の一つです。
そして、家に帰ったらその日のあった出来事を親子でお話しすれば、海での楽しい思い出が出来上がります。
海が身近になると、スーパーで魚を見たときや、水族館へ行くたびに、遊びに行った日のことを思い出すことでしょう。
お魚が大好きになったら、魚の形をした雑貨や、モビールなどを部屋に飾れば、どんどん海が家の中でも身近な存在へと変わって行きます。そして、こどもにとって海はとても楽しい場所へと変わります。
自然の中で過ごすことで、こどもの中で新しい発見・出会いが生まれて、その中から本当に好きなことが見つかります。
『磯遊び』も、いわゆる家庭でできる『幼児教育』です。
そこで学んだことは、生きる時の力となります。これをきっかけに、こどもとの学び、家での学習について考えるきっかけにしてみてください。当店で考える幼児教育については「家庭で『幼児教育』5育を意識しておもちゃ・絵本・図鑑で遊び学ぶ」で詳しく書いていますので、そちらもご覧くださいませ。