読み物
最終更新日:2022年2月22日
絵・写真・文:いろや商店の編集室
れんさいプロジェクト:旅する自由研究ノート
海と暮らす国、日本。こどもとの海遊びは夏休みだけじゃない、海は身近な遊び場
海での遊びは夏休み限定なの?
そんなことありません、いつだって海は遊んで楽しい場所です
海はわたしの心の中にいつも身近な場所として小さい頃から存在しています。
そしてこれは私だけではなくてきっと多くの人にとっても、海はどこかしら身近な存在であると思ってます。日本に暮らしていて、海と離れて暮らすことはできません。いつでも、どこでも、数時間いや、数分あれば目の前に広がる海。店長も小さい頃から海と共に暮らし、育ちました。それもそのはず、日本は海岸線に囲まれた国だからです。
でも海での遊びといったら、もっぱら海水浴や砂浜での遊びが夏の風物詩になりつつあります。
海水浴の季節も終わり。春・秋・冬は、どこへ遊びに行こうか?と、ついつい海での遊びは夏休み・夏だけのものと捉えがちだけど、そんなことはありません。海はいつでも私たちの暮らしの中では身近な存在です。山もいいけど、海もいい。こどもと一緒に遊べる、海での遊びを紹介しつつ、海と共に暮らす日本のことを少し知れたらと思います。そんなわけで、今回の旅する自由研究ノートでは、少しだけ海について深く知りたいと思い、足を運ぶことにしました。
いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ご覧いただきましてありがとうございます。
育児・子育て苦手な店長が、こどもが主役で書いてますのでゆっくりご覧くださいませ〜。
海に囲まれた海洋大国、日本
日本に暮らしていれば、普段生活している場所から電車で海側へ1時間も移動すれば、海岸線へ出ることができます。
同じように、電車で山側へ1時間移動すれば、山の中へ入ることもできます。
小さい頃と言ったら、行きたい方向へ自転車を走らせて、海の中や山の中に入って遊ぶことがとても自然なことでした。
日本は山へも海へも行けて、楽しめる。こんなに自然豊かな国は多くありません。
そんなわけで店長は今回、身近にある海に向かって足を運ぶことにしました。
日本は、まわりをぐるりと海に囲まれた島国です。
リアス式海岸をはじめとして海岸線はとても入り組んだ地形をしています。そのため、陸地面積に比べて長い海岸線をもっています。長さでいうと3万3889km。これは、地球一周の長さの85%近くにもなる長さです。海岸線を47都道府県別でみると、39の都道府県が海に面した海岸線を持っています。1番長いのは北海道。2番目は、島の多い長崎県です。店長が生まれ育った青森県は3方を海に囲まれ、日本海と太平洋、どちらへも車で数時間も走ればいける距離でした。実際にどちらへも足を運んでいます。そんなわけで、少し歩けば海岸線にぶつかると言ってもいいくらい海岸線に囲まれた国に私たちは住んでいます。
車で2時間も走れば、山奥ではない限り海にたどり着けるのが日本です。
また日本の領土は、約38万平方キロメートルで世界第61位です。地球儀などで見てもとても大きな国には見えません。目一杯日本を中心に作られた図法でも、日本より大きな国はパッと見ただけでも多く数えられます。でも、領海と排他的経済水域をあわせた面積では世界第6位。体積では世界第4位と急上昇します。最北端は、択捉島のカモイワッカ岬。最東端は、南鳥島。最西端は、与那国島。そして、最南端は沖ノ鳥島です。日本は実はとても広い国なのです。このようなことで、私たちの暮らしている日本の国土は、海に支えられているといっても過言ではありません。
海と暮らし、海の恵みをたくさん受けて暮らしてきたのが日本です。
まだまだ分からないこともたくさんある海の中、日本という国ではまだまだ見つかっていない、わかっていない不思議がたくさんあります。いまだ発見されていない未知の古代生物も海底から出てくる日が訪れるかもしれません。
そんな淡い期待を抱きながら、日本に住んでいるなら、これから大きくなるこどもたちへ身近で不思議の塊である海に遊びの中から興味を持って欲しいなと感じています。
そのきっかけをつかもうと思い、店長は海へ遊びにきました。
家族で海岸線をドライブ、海の風を浴びる
夏休みが終わり、海水浴場や海の家も閉まり、海での遊びも夏の終わりと共に終わりというご家族も多いことでしょう。
実際に夏前頃から海に関連する行事は増えますが、海水浴が終わった頃から海でのイベントはグっと少なくなります。
でもこの頃(夏の終わり頃)から海遊びは本格化できるシーズンです。
なぜなら、海へ行く人の数が減り、静かにそしてマイペースに海で遊ぶことができるようになるからです。
夏も過ぎた秋の季節に店長は、朝から車を走らせ、身近な海岸線に向かうことにしました。
1時間かけて高速道路を移動すると目の前に広い海が広がってきます。日本海側と太平洋側では、海の様子はやっぱり違います。どちらの海も好きですが、店長はやっぱり日本海が好きです。息子を小さい時に海へ連れて行きましたが、その時は迫り来る波の音に怖がってしまい、車から降りることができませんでした。我が家だけではないかもしれません、こどもが小さい頃は波の音を怖がってしまい、海に出ても砂浜や波打ち際に出て行くのはとても難しいでしょう。
でも、日本は長い海岸線が続きます。車やバス、歩くのもいいです。海岸線をただ歩くだけでも、普段の暮らしの散歩とは全然違います。鳥の鳴き声、潮の匂い、海で仕事をする人たちの暮らしから出てくる音から、海の風を感じることができます。
車のドアを開き、こどもと少しだけ車を後にして歩き出せば、普段の暮らしの中では見つけられない落し物にたくさん出会うことができるでしょう。
たとえば、海に暮らす鳥の骨を見つけたり、貝殻の破片、打ち上げられた海藻、漁船の故障した器具、釣りのゴミ、観光客のゴミ…など、普段歩く場所では見たことがない落し物を見つけられます。
大人にとっては何気ない落ちている物かもしれないけれども、こどもには今まで見たこともない新しい発見です。普段と違った場所を、普段と同じように歩く。それだけで、新しい発見に出会うことができます。車でドライブをして海岸線を歩く。これだけでもとっても楽しい遊びです。
たしかに派手な遊びではないけれども、こどもにとって大きな刺激になること間違いなしなのです。
こどもと磯遊びで、生き物と触れ合う
小さい頃を思い出すと、店長が磯と出会ったのは小学校の5年生頃。
その時は、父に半ば強引に釣りへ連れて行かれ、ただボーッと横に座っていた記憶しかありません。父があれもこれもと全て用意してくれ、私がしていたことといえば、ただ釣り竿を持ってボケーっと磯に座っているという感じ。
自分の息子のように自分から「磯・海へ行きたい!」と意思を持ったことはなく、野球でも忙しかった私にとって、暇さえあれば部屋でファミコンをしていたい。という、そちらの方の思いが強かったのを覚えています。でも今となっては、金曜日の夜遅くから釣りへ連れて行ってもらったのは、ファミコンと野球と学校ばかりで過ごしていた少年時代に、私と自然との繋がりが生まれた、とてもありがたい出会いだったのだと感じています。
今、この旅する自由研究ノートを書くようになるきっかけはもしかしたら、この頃に遡るのかもしれません。と思うと、今は亡き父へ少しだけ感謝の想いが出てきます。
ということで、こどもが少し大きくなって、自力で歩けるようになってきたなら、普段歩いたことのないような場所を歩くのは面白いです。
海では、砂浜、防波堤、そして磯とさまざまな地形があります。この中で磯場は、様々な生き物に直接触れ合うことができる場所です。磯の上を歩くのは普段通りというわけには行きません、タイドプールという海水が溜まった窪みもありますし、よく分からない生き物がたくさん歩いていたり、ちょっと踏み外せば足元は滑ります。この場所はなんだろう?その不思議さはこどもの好奇心を刺激します。でも歩いた後は、筋肉痛に悩まされるはずです。雪の上を歩くように、磯の上を歩くのもとても疲れます。
磯場では、たくさんの生き物に出会うことができます。
「どんな生き物がいるの?海の生き物に会いに三浦半島へ遊びに来ました」でもその時の様子を書いています。海の生き物というと、ついつい魚にばかり目がいってしまいますが、クラゲやイソギンチャクなどの刺胞動物、エビやカニなどの節足動物、タコやイカなどの軟体動物、そして日本では海岸から見かけることの難しいクジラやアザラシなどの哺乳類が暮らしています。地球上にいる、すべての生物の90%は海の生き物と言われています。
そのような生き物を直接見ることができるのは、磯場の素晴らしいところです。カニはもちろん、魚、貝類など、見るだけではなく触って遊ぶこともできます。こどもにとっては、目にうつる全てが不思議な場所です。
テレビや本で見たことのある生き物、見たことのない生き物、自然の中で暮らす野生の生き物たちに出会えるのも磯での面白さです。足元に気をつけながら、こどもと一緒に磯場へ歩き出て少しだけ海岸の冒険をしてみてください。
そこでは、海という環境ならではの生き方をする生き物と出会うことができます。
こどもとの海遊びの定番!海釣り公園で釣りデビュー
海の遊びと言ったら、海水浴・磯場での生き物とのふれあい、そして釣りです。
わたしは今まで、海釣り公園という場所には行ったことがありませんでした。わざわざに、管理されている公園へ釣りに行くのは考えられないと思っていましたし、さらに入場料を払ってまで(釣船代とは違う)釣りをするというのはとてもじゃないけれど味わったことのない不思議な感覚でした。でも、今回はじめて訪れた海釣り公園から、海釣り公園の良さを実感したのは新しい発見です。食わず嫌いとはいい例えで、今回のように、実際に体験しないとわからない楽しいことはいっぱいあるので自由研究ノートのおかげで、海釣り公園という新しい遊びを知ることができたのは大きな発見でした。
これからも、どんどん新しい体験をして行きたいと思ってます。
釣りには、いろんな釣りのスタイルがあります。
店長の得意な棒ウキのスタイルもあれば、息子が得意な前打ち・落としこみや、川や沼池などのフィールドで活躍もするルアー、さびき釣り、円錐ウキ釣り、砂浜などからの投げ釣りなどたくさんあって、中には個人で開発した釣りスタイルもあります。釣りのスタイルは魚や釣り場にあわせての方法論なので、自分で考え自分の釣りのスタイルを作り上げて行くというのも釣りの楽しみの一つでもあります。何歳になっても楽しめる自分と向き合うスポーツです。
一匹の魚にこれだけ多様な釣りの方法があるのも面白いですが、はじめての人にとっては何がいいのか難しいことと思います。いずれは自分にあった釣りのスタイルを見つけるのがとても良いでしょう。でも、何から始めたらいいかわからないし、釣りのスタイルなんて気にしない。魚を釣りたいんだ。という、そういう場合にいいのは海釣り公園です。
何がいいかといえば、海釣り公園では「貸し竿・売店・トイレ・洗い場・管理人」が揃っていて、とりあえず釣りができることです。そして、とりあえず釣れます。仕掛けはすべて洗って持ち帰れるし、女性・女の子にとっては、トイレがあるのは何よりもポイントが高いと思います。
そしてはじめて釣りをするなら「さびき釣り」で行きましょう(行ってください)。
海釣り公園では「仕掛けがそのまま」で売ってますし、竿・リールも貸し出してますので、竿&リールから出ている糸と、仕掛けの一箇所を結ぶだけですぐ釣りが始められますし、さびき釣りの場合は、餌を一緒に海へ投下できるので、魚がいっぱい寄って来るため、こどもと一緒に見ているだけでも大喜びで楽しめます。
そして海釣り公園は「さびき釣り」で釣れるお魚がいっぱい回遊してくる場所に立地していることが多いです。なので、とりあえず行って、とりあえず釣って、なんだか簡単にお魚が釣れる!という楽しい体験を簡単に味わえる場所でもあるのです。そんなわけで、初心者におすすめな場所です。(逆に、海釣り公園以外で釣りをする場合はそうは行きません。)
そして、海釣り公園では色々な釣りスタイルの人を見ることもできます。そういった中から、自分が興味を持った釣りの方法を今度は取り入れてみるというのが良いです。
家族や小さなこどもを連れて釣りをするときには何が起こるかわかりません。大人が一人で釣り場に入るのと違い、釣れないと飽きてしまいますが、海釣り公園では周りでも釣れる場面に遭遇します。季節に応じて釣れるお魚も変わるので、どんな季節でも海で遊べる場所であることに間違いありません。
「【専門家がおすすめ・選び方を解説】人気の『海遊び(磯・砂浜・海水浴・防波堤)』おもちゃ・グッズを徹底比較」では、海遊びで必要な製品を紹介していますので、行く前に参考までにチェックして必要なモノを揃えて準備万端で行ってください!
こどもと一緒に水族館や博物館で、海の生き物の知識を得る
海へ行き、海の周りを歩き、磯で生き物に触れ、釣りを経験する。
ここまでくると、季節にかかわらず海に行くのがどんどん楽しくなってきます。この記事を書きながら、海へ行きたくなってきました。ちなみに、海へ遊びへ行く時はできれば天気のいい日を選びたいです。天気の悪い日は、波が高く、こどもを一緒に連れては足元が滑ったりで危険です。そのような時は、水族館や博物館があります。
天気が悪くても良くても海の遊びができるのは、海と暮らす国、日本の素晴らしいところです。そう思いませんか?
なんと日本は、水族館の数が世界で一番多い国なんです。ぐるりと海に囲まれているのもあって、海沿いの町に行けば大きさを問わず水族館の看板を見かけることができます。ちなみに、道の駅の中にある水槽などはカウントしません。
海と同じくらい身近な遊び場として、水族館がある国です。さすが海洋大国、日本。
そのようなわけで、水族館では多くの場合、設置されている沿岸に住んでいる生き物が多く、海釣り公園で釣れるお魚はもちろん、大きな水族館の規模になれば、大型の哺乳類もいます。普段接している生き物の泳いでいる姿を目の前で見ることができるのは水族館だけです。
水族館と同じように、海に関する博物館も多数あります。
船を使った貿易の歴史、海に関しての歴史、生き物との暮らしの歴史、今はもちろん、昔からの海との関わりまで学ぶことができます。海へ行き、海洋生物に触れ、水族館や博物館にも行くことができる日本。
海の生き物に詳しくなる環境は、目の前に全て揃っています。
これを機に、海洋博士への道を目指すというのもいいですね。
こどもが地球を大切にする心を育む、海岸でのゴミ拾い
出来ることならば出会いたくない物ではありますが、残念なことに、海へ行ってゴミと出会わないことは無いです。
アウトドアライフ!自然が大好きだ!と、たくさんの人が自然の中へ足を踏み入れるのはとてもいいことだけれども、小さなゴミは、自然の中で暮らす動物にしてみたら、誤飲や誤食を招くことになります。海で暮らす生き物のためにも、海に行ったらゴミを拾って帰るというのは忘れないでしたいことですね。
大切な遊び場であり、多くの野生の生き物たちが暮らす海はみんなできれいに守りたいです。
家族みんなで海を大切にする行動から、海を・自然を、大切にするこどもの心は育まれます。
そしてそれは、他人へ優しくする心を育むと考えています。
地球の表面の70%ほどは海が占めています。
海に流せば、なんとかなりそうな気もしますし、実際に工業・家庭用と排水はどんどん海へ流れています。
でも海は万能な場所ではありません、針金を溶かして海水にしてくれるわけでもなく、プラスチックを海水に変えてくれるわけでもなく、人間の作ったものをすべて自然物に変換してくれる装置でも無いのです。人の目に見えない海底から、潮の流れに流されて、流した人からは見えないけれども、人の目に見える海岸などに流れ着き、山となって汚染を広げて行きます。こどもが学校からもらってきた物をランドセルの奥深くや押し入れの中に隠して入れておくようなもの…。
必ずどこかで表に出てきて、自分へ降りかかってくると思った方が良いでしょう。
そんなことから、目に見えない部分にも気を使えるように、こどもと一緒に出来る範囲でゴミを拾って帰りたいですね。そして、こどもと一緒に海を守るという姿を大人が率先して見せることが、自然で楽しむ何よりも大切な注意事項だと思います。
これらは、遊びの中で学ぶ家庭でできる『幼児教育』です。
そこで学んだことは、生きる時の力となります。これをきっかけに、こどもとの学び、家での学習について考えるきっかけにしてみてください。当店で考える幼児教育については「家庭で『幼児教育』5育を意識しておもちゃ・絵本・図鑑で遊び学ぶ」で詳しく書いていますので、そちらもご覧くださいませ。