読み物
最終更新日:2022年2月22日
絵・写真・文:いろや商店の編集室
れんさいプロジェクト:旅する自由研究ノート
東京都内にて。夏休みの昆虫採集の主役、カブトムシ・クワガタムシの捕まえ方
東京都内にも、カブトムシ・クワガタムシはいるよ
夏休みの主役の一つ「昆虫採集」屋内のイベントなど涼しい場所で、たくさん集めてきたカブトムシ・クワガタムシの展示を見るのも良いけれど。やっぱり、野生に生息している自然の中のカブトムシ・クワガタムシに触れてほしい(触れたい)です。
見つけた時の感動、捕まえる時の緊張感、採取した後の家での盛り上がり、帰宅した後の生き物との暮らし、飼うことの大変さ。カブトムシ・クワガタムシに限らず、近場の環境を知ることも昆虫採集の大きな楽しみの一つです。
ということで今回は、身の回りに潜んでいる、カブトムシ・クワガタムシの捕まえ方をメモとして残しておきます。
いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ご覧いただきましてありがとうございます。
育児・子育て苦手な店長が、こどもが主役で書いてますのでゆっくりご覧くださいませ〜。
夏休みの主役、昆虫採集
ミーンミーンミーン、暑いです。
暑いので、涼しい場所に行って昆虫たちを見ようと、考えてませんか?ちょっとお待ちを。エアコンの効いた空間でカブトムシを見るなんて勿体ないです。こどもに本物を経験させるなら(暑いけど、)外に出ましょう。
昆虫のことを知りたいなら、昆虫が暮らす場所へ行くことが何よりも大切。もし、カブトムシ・クワガタムシが捕まえられなくても、そこで過ごした時間は、本を読んだり、お友達から聞いたり、YouTubeやテレビで映像を見たり、イベントで触れるのとは違ってハプニングも起こります。これからの人生の中で原体験としてこどもにとっての宝物になります。
昆虫採集の醍醐味を自然の中に入って味わってください。昆虫採取の入り口は、4歳〜6歳の間が多いです。飛ぶ生き物、目の前で動く生き物に興味津々の年頃なので、この年頃の夏の遊びです。
『夏の遊び』については「さぁ夏休み!こどもと『暑い夏』を楽しく有意義に!人気のおもちゃ・絵本・図鑑」で書いていますので、参考にご覧くださいませ。
さてまずはじめに、外に出る決意をしたら次に必要なのは昆虫採集へ出かけるための準備です。
特に今回は”身近な昆虫採集”の場合としているので、わざわざ完璧な装備を揃えず、手軽で気楽に昆虫採集に向かう家にあるもので大丈夫。心配に思う方のために以下に簡単にだけ載せておきますね。
- 虫取り網
(100円均一のとかで大丈夫) - 虫カゴ
(採取した虫を入れておければなんでも大丈夫、紙パックやペットボトルでも代用できます) - 長袖、長ズボン
(植物が生い茂る自然豊かな場所に入るときは、怪我や虫さされ、などへの予防から長袖長ズボンスタイルです) - 懐中電灯
(遅い時間を考えるときは持っていきましょう) - あればバナナ
(カブトムシ・クワガタを家まで元気にしてくれます) - スコップ
(土の中に潜っている場合見つけ出せます)
以上です。
カブトムシ・クワガタムシを捕まえにいったからといって、目的の昆虫を捕まえられるとは限らないのが難しいところ。
でも、向かう準備から昆虫採集はじまっているので、そこから楽しんでくださいね。
しっかり準備をして物事を行うことは、こども自身の自立へと繋がります。
こども自身に準備させて、こどもが自分の力で昆虫を採集するという体験を親子で一緒に楽しんでください。
上記のような準備をしておけば、違う昆虫に出会った場合でも大丈夫です。
ちなみに、「【専門家がおすすめ・選び方を解説】人気の『外遊び(公園・庭・ベランダ)』おもちゃ・遊具を徹底比較」では、身近な『公園・庭・ベランダ』で遊ぶ時の道具の紹介もしていますので、あわせてご覧ください。
カブトムシ・クワガタムシを採集する際の持ち物について少し説明を捕捉していきます。
クワガタムシと比べてカブトムシは、夜間は飛び回ります。そして、同じ虫カゴの中に入れるとすぐに争いを始めます。争いが多いと、それに疲れ果てて死んでしまう場合が多くなります。そのため、沢山捕まえるならたくさんの虫カゴを持っていくようにしましょう。一つの虫カゴに入れるのは、1〜2匹にとどめておくことをお勧めします。また、カブトムシとクワガタムシを一緒に入れた場合、争いによってカブトムシがクワガタに切られてしまう場合があります。クワガタムシとカブトムシは別々の虫カゴに入れるようにしましょう。
また、できるだけバナナを一緒に持って行って、捕まえたらすぐにくっつけてあげましょう。捕まえた時すでに弱っている個体もいます。
家に帰ってゆっくりとカブトムシ・クワガタムシをみて、翌日も捕まえた余韻に浸るこどもを見るのはとても楽しいです。興奮冷めやらずで、いつまでもへばりついてます。元気が無く死んでしまうととても悲しそうに泣きます。そういうことにならないように、しっかりと元気に連れて帰りましょう。
昆虫採集で悩んだら、木のいっぱいある場所へ
東京都内でもカブトムシ・クワガタムシに出会えました。探せば山に行かずとも沢山います。
なので今回は、どんなところに昆虫(カブトムシ・クワガタムシ)が居るのかを少しずつ掘り下げてみます。ちなみに、インターネット上で検索して載って居る場所は、みんなが行くので残念ながらカブトムシ・クワガタムシにあまり出会うことは出来ませんでした。たくさんの人が触れる情報源の場所では、良くも悪くも、採取されてしまって居て、昆虫よりも人の方が多いです。なので、自分たちの足を使って探すというのが大切になります。
遠くの森や山に行かなくっても、身近に生息して居そうな場所を探すところから始めましょう。
ではそんな時に何をたよりに探すか?
ですが、単独で木が綺麗に並んで居る場所ではなくて、木が生い茂った場所をまずは探しましょう。東京都内は、ほとんどの場所で人の管理が行き届いて居ます。
そのため、計画的に植樹されて居る場所ばかりですが、各区の中も一定距離感覚で、小さいながらに自然(らしさ)が残って居る場所があります。ちなみに、世田谷区だけでも6箇所でカブトムシ・クワガタムシ(ノコギリクワガタ・コクワガタ)は見つけられました。まずは身近な場所で目見当をつけましょう。
カブトムシがいると言われる場所へまっすぐに車などで向かうのではなくて、地図を見たり、少しだけ歩いてみたり、そういう小さい冒険が、新しいものを発見する!という、こどもの経験・成功体験につながります。
こどもといっしょに地図を開いて、どの辺にいるか考えさせ、一緒に足を使って歩く。
見つからなかったら泣きますが、その壁はどんな時にも訪れることです。思った通りにうまくいかないことがある。それを協力して乗り越えることで伝えられることもあります。カブトムシ・クワガタムシ採りの親子でできる醍醐味があります。
自然がそのまま残っているような場所を見つけたら、その場所の植生を必ず見るようにしましょう。
木があっても、カブトムシやクワガタムシがよく集まる木が複数本なければ見つけられません。でもカナブンなど同時期に多く見られる「昆虫」ならきっと出会えます!
植生ですが、どの本を見ても載っている通りで、「コナラ」「クヌギ」「ヤナギ」の木は鉄板です。わかりやすいのは、足元にどんぐりが落ちていることです。どんぐりがない森に、カブトムシ・クワガタムシの痕跡はあまり見ないので、できる限りどんぐりを追いかけてくださいね。ちなみに、銀杏は似ているので間違わないようにしてください。
都内ではなく、地方なら、カブトムシ・クワガタムシの数も多いので、他にも集まる木はあるのですが、東京都内の場合は、これらの木によく集まるようです。
また、神社などのシラカシなんかも集まる木なので、入れるようなら木の生い茂っている近くの神社などもスポットです。(日中じゃないと難しいと思います)
カブトムシたちがいる場所には、死骸が必ずあるよ
「近くにそれらしい雑木林があり、そしてコナラの木があった。」となったら、カブトムシ・クワガタムシを捕まえられる確率はグンとあがります。実際にカブトムシ・クワガタムシいるかどうかを確かめる方法は、”足元”を観察してください。一本一本の木を見て歩き、上を見上げながら歩いて昆虫を見つけていくのは結構大変…。なのでまずは、そこにいるのだろうか?という痕跡を見つけることを大切にしてください。
フィールドワークの基本で、山や海と自然の中に入る時に必ずしてほしいことの一つです。
今いる場所に、どんな生き物がいるのかな?ということをその場にある情報から探すことが、自然の中を楽しく、そして安全に過ごすために大切です。植生・地面に落ちているもの、足跡や、生き物の鳴き声など、五感を使って情報を拾ってください。
これは、自然の中に入らないとわからないことです。季節、気温、湿度、前の日の天気やいろんな条件で自然の環境はガラリと変わります。
そして、上を見ながら、下を見て歩くクセをつけてくださいね。自然の中を歩くって、道路を歩くのと違って多くの情報量です。いろんな方向にアンテナを立てて歩いてくださいね。
ちなみに山(里山も)へ入る場合は、クマに鉢合わせする可能性もあるので、必ずクマよけの鈴は持っていくようにしましょう。ということで足元にカブトムシやクワガタムシの死骸・痕跡を見つけたら”そこにいる”こと間違いなしです。
私たちがいろいろな場所に行った結果、痕跡の大きさ・量に比例して、捕まえられる数が多い傾向がありましたので、まずは足元にいる痕跡を探すことがとっても大切です。
カブトムシの採集は、時間帯にこだわらなくてもいいよ
カブトムシ・クワガタムシ採りといったら夜と思ってませんか?そんなことありません。
日中でも捕まえられます。でも注意が必要なのは、日中はカブトムシ・クワガタムシが集まるところに、蜂も集まることです。
樹液にはカブトムシ・クワガタムシ以外にもたくさんの虫たちが集まって来るので注意してください。
それに比べて夜は蜂が来ないので、比較的安全に樹液のある場所に手を伸ばしてカブトムシ・クワガタムシを捕まえられます。でも、足元や周りが見えないことが多いので、蛇やカエル、その他に蚊なども多いため日中とは違った注意は必要です。夜の場合は街灯などの光にも集まることがあるので、雑木林の近くの街灯なんかにも足を運んでみてください。でも最近はLEDに変わって来ていて、LEDにはあまり集まって来ないみたいですね…。夜と昼それぞれで昆虫採集は楽しんでください。
同じ木に昼に行った後、夜にも行くと、全く違う生き物が来て居てビックリしたり。そういう発見の一つ一つが良い思い出になります。昆虫採取を通して、いろんなことを体験してほしいです。
ちなみに、クワガタムシの採集はお昼より、夕方から夜間にかけての方が見つけやすいです。
これはカブトムシと違うところです。都内だとコクワガタがほとんどです。山の方へ行けばノコギリクワガタ・ヒラタクワガタなど見つけることができますが、平野ではコクワガタばかりですね。
捕まえてからが大切・守って欲しい生き物とのこと
「捕まえました!」ということで、捕まえられたら、こどもは大喜び。集まるときは一度にたくさん集まりますので、どんどん捕まえたくなります。でも、生き物は捕まえてからがとても大切。まずは、生き物を連れて行くか、観察だけして逃すかを考えましょう。生き物を連れて帰るということは、そこの生態系・環境に手を加えるということにつながります。なので、できる限り少数に抑えて、生態系に負担がないようにしたいですね。
今はまだたくさん見かけるカブトムシ・クワガタムシも、みんなで取り尽くしてしまえば、今後の数は減少し、過去に居なくなってしまった絶滅動物と同じ道を辿ります。自分だけはいいや、欲しいし…。という積み重ねが乱獲を生みます。
できれば、オス・メスの1匹だけとか、ルールを決めて持ち帰って欲しいです。そして、持ち帰るからにはしっかりと育てる環境を作ってくださいね。
- 昆虫箱(昆虫ケース)
- 昆虫が大好きな木や落ち葉、土などを敷き詰めましょう。
- そして、昆虫ゼリーです。
家で飼った場合の食べ物についてはバナナや野菜、いろいろなものを試した結果、今は「昆虫ゼリー」に落ち着きました。
バナナはドロドロになってしまい、長く持たないのと、コバエなども集まりやすくて管理が大変です。
野菜は、水分が多いので寿命が短くなってしまうみたい。
長生きのためにも、昆虫ゼリーが今はいいみたいですよ。
カブトムシの場合、夜はバサバサとよく飛びますが、日中なら箱から出してテーブルに乗せて観察できます。
クワガタムシは日中も夜も比較的おとなしいので、外に出して様子を見れます。
面白いことに、個体差はあるんですよね…気性が荒かったり、おとなしかったり…そういう一面を観察するのもとても楽しいことです。
カブトムシ・クワガタムシの採集は夏休みの自由研究にも良いですよね。どれだけの重さを運べるのかな?とか、本に載って居ないこともたくさん発見ができます。
また、昆虫箱を家族でDIYするというのも、捕まえて来た後にできる楽しい遊びです。家族で木を探しに行ったり、どんなものを入れたらいいのかなぁ?とか、みんなで話しながら捕まえてきたカブトムシ・クワガタムシ・昆虫の育て方を学びましょう。そして帰ったら、こどもが昆虫のための家を一生懸命につくる姿は、生き物に対しての優しさを育みます。
わからないことは、絵本や図鑑に学び、こども自身の自分の力で採集する。
これが、『昆虫採集』の醍醐味です。そして、昆虫採集が自然科学の絵本や図鑑のきっかけになる方もいるでしょう。ぜひ、家の外でも中でも、昆虫採集を楽しんでみてください。
生き物を探し、見つけ、そして家に持ち帰って育てるまで。これ全体が昆虫採集の醍醐味です。
暑い夏の季節は、涼しいイベント会場ではなくて、夏にしか出会えない生き物たちとの出会い、目の前の自然に足を運び、自然と共に過ごして欲しいなと考えて居ます。
自然の中から学べることはたくさんあります。
『昆虫採集』も、いわゆる家庭でできる『幼児教育』です。そこで学んだことは、生きる時の力となります。これをきっかけに、こどもとの学び、家での学習について考えるきっかけにしてみてください。当店で考える幼児教育については「家庭で『幼児教育』5育を意識しておもちゃ・絵本・図鑑で遊び学ぶ」で詳しく書いていますので、そちらもご覧くださいませ。