読み物
最終更新日:2022年5月5日
絵・写真・文:いろや商店の編集室
れんさいプロジェクト:いろやのこと
赤ちゃん・こどもが『遊びながら学ぶ』最高の楽しい道具・教材がおもちゃ・絵本・図鑑
こんにちは。いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ここ「いろやのこと」では、まったりマイペースにいろやのあらゆる側面のおはなしをお伝えしています。
今回は、おもちゃ・絵本・図鑑・しかけ絵本を用いた『遊び』と『学び』について書くことにしました。
当店は赤ちゃん・こどもを育む専門店です。こどもが成長する上で、遊びも学びもどちらも生きる力をつけるためには必要です。でも、遊んでばかりで勉強をしない。勉強は苦手・・・。と、遊ぶのは大好きだけど学ぶのは苦手という子も多いです。店長にもそのような相談がよく寄せられます。店長も小さい頃は、ランドセルを放り投げて鼻水を垂らしながら外へ遊びにいく少年でした。遊びに、学びはないのでしょうか?
当店では、『遊び』と『学び』を両立しながら、こどもの将来に向けたこどもの過ごす環境づくりを応援するお店です。大嫌いな勉強・苦手な勉強に対して、頑張れ!と根性論を言ったところで、こどもは楽しくないとしたがりません。学問も、つまらないと感じればその先には苦手が待っています。
赤ちゃんの頃から、遊びと学びを両立させていくことで、学ぶことが楽しいことと感じられるようになります。そういった点から赤ちゃんの頃から触れる「おもちゃ・絵本・図鑑・しかけ絵本」はこどもの学びを楽しいと感じられる心を育むために、大切な役目があると感じました。当店は『遊びながら学ぶ』ということを大切に考えています。その基盤にあるのは楽しいこと。
これらのことについて、丁寧に書くことにしました。
いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ご覧いただきましてありがとうございます。
育児・子育て苦手な店長が、こどもが主役で書いてますのでゆっくりご覧くださいませ〜。
赤ちゃん・こどもの『遊び』と『非生産性』
まずはじめに、『遊び』についてです。
本来の意味での遊びは、非生産的な活動を指していて、ストレスの開放や充足感・個人的な心の満足のために行われる活動とされています。個人が日常的にする遊びを「趣味」とも言います。有名な書籍『遊びと人間』の著者でもあるフランスのロジェ・カイヨワによると、遊びは以下の要素によって定義されると述べられています。
- 自由意思にもとづいておこなわれる
- 他の行為から空間的にも時間的にも隔離されている
- 結果がどうなるか未確定である
- 非生産的である
- ルールが存在する
- 生活上どうしてもそれがなければならないとは考えられていない
『遊び』は楽しいものです。
『遊び』は強要するものではありません。
そして、当店でもお伝えしている通りで「生きる力」をつける活動が『遊び』です。
これについても『遊びと人間』の中に書かれています。そして、他の動物と比較しても人間の遊びは多様化し複雑なのも特徴です。『遊び』は知的にも高度で文化的な活動と言えるでしょう。
『遊び』は、そこで何かの利益を得たり、何かを手に入れたりといった生産的な活動ではなく、ただその時間を楽しむという非生産的な活動です。そこには大切にしたい「豊かさ」があると店長は感じています。
日本にいると「遊んでる暇があるなら***しろ」と言われることがありますが、豊かに過ごすという意味では、遊ぶことも重要で「遊んでいる暇」はあった方が良いのです。それは、各個人が心を満たすためにとても重要なことの一つなんだと感じています。
知人でも『遊び』について取り組んでいる方がいます。遊びは、「衣・食・住(+遊)」という具合で付け加えるべきモノだと話されていました。食事をした後にテーブルの上へおもちゃを出して簡単な遊びをする時間。非生産的だけど、豊かな時間を過ごすという意味では大切にしたい時間なのかもしれません。
では、赤ちゃん・こどもにとっての『遊び』とは何でしょうか?
当店では、幼少期の成長は遊びを通して行われると考えています。もしくは、パパ・ママや周りの大人からは、赤ちゃん・こどものしようとしている活動が『遊び』に見えるということがあるかもしれません。特に乳児期の赤ちゃんの探索行動は、大人からして見たら遊んでいるようにしか感じられません。
こどもは遊びの中で多くのことを知り成長していきます。遊びを通して、心の成長も見られ、一人遊びから集団遊びをへと発展する中で、社会性を身につけていきます。手元にあるモノ(たとえばおもちゃ・絵本・図鑑)を口に入れたり、観察したり、振り回したりしながら、指・手の動作も少しずつ細かいことができるようになり、ゆくゆくは工作をするにまで至ります。
自分でできることが増えていくと、自然と受動的であった遊びも主体的に遊べるように変化して行きます。そしてその先には、自立が待っています。
赤ちゃん・こどもにとっての『遊び』は生活そのものです。
日々暮らしていくことが遊びであり、生活という時間を過ごす中で、カラダも心も成長して行きます。
すなわち『遊びの質』を高めることは、こどものカラダや心の成長をより良いものにするということにつながります。たとえそれが非生産的なことであっても、とても大切なことになるのです。
赤ちゃん・こどもの『学び』と『生産性』
非生産的な『遊び』がある反面、『学び』は生産的なものであると考えられています。
物事について学び、学んだことを活動の上でアウトプットすることで自分のもの(知識・知恵・技芸)としていく。自分の能力を高めるという意味でも、学びは生産的な活動です。いかに効率よく学ぶか(5分で英単語を***学べます!みたいな)というのは、学びの生産性を上げる取り組みと言えますね。
ちなみに『学び』と同じような言葉で「学習」や「勉強」があります。
学びも学習も同じ「学」という字が入る通りで、学問・技芸を身につけるという意味では変わりませんが、学習は習うという意味合いが入ってきます。つまり学習は、自分以外の模範となる他人が存在し、直接その人に習い、自分自身の知識・知恵や技芸として習得するという意味です。経営の場では「メンター」と言われる存在がそれに近いです。
「学ぶ」は「まねる」、「習う」は「慣れる」と学校で聞いたことのある人もいるでしょう。学んだことを実践し、繰り返し使いながら慣れていくことで、自分の力に変えていく。これが学習です。
そして「勉強」は『遊びながら学ぶ』とは真逆のようなことです。「無理にでも(強く)努力して励むこと。」とされています。つまり、楽しいとか言ってはいられないということです。
では、赤ちゃん・こどもにとっての『学び』とは何でしょうか?
乳幼児期の頃に行われる見立て遊び・つもり遊びやごっこ遊びは、文字通りパパやママといった身近な大人の姿を真似て遊ぶことからはじまります。これは、生活に必要な活動を学習していることになります。乳幼児期の『学び』です。
小学校へ入る前の、新生児期・乳児期・幼児期の赤ちゃん・こどもにとっての学びは、暮らしの中で発生する基本的な活動。寝る・食べる・排泄するなど生活に関することを一人でできるようになることが中心にあります。パパ・ママの力に頼らず自分一人でできることを増やす。例えば、トイレに一人で行き排泄したり、服を着替えたりといったこと。乳児期から幼児期にかけては、一つ一つのできることを増やしていく時期です。
そう言った点で、幼稚園・保育園などではまさにこれらを学習する場とも言えます。
小学校へ入り児童期にもなると、こどもの『学び』といえば、学問が中心になります。
学校へ行き、先生(教師)から直接教育・指導を受け、学習をする場。が小学校です。新生児期・乳児期・幼児期の学びと違って、生活はもちろんのこと社会の中で生きるために必要な力を身につける時期になります。特に小学校生活では、日々の生活よりも、社会的な力をつけることに重点を置いている気がします。
このように、赤ちゃん・こどもにとっての『学び』は、成長とともに変わってきます。
『遊びながら学ぶ』に大切なこと
当店では、非生産的な『遊び』と、生産性を求められる『学び』。
これらを組み合わせて過ごす時に使われる道具が「おもちゃ・絵本・図鑑・児童書・しかけ絵本」だと考えています。
そして『遊びながら学ぶ』時に、大切にしたいことは以下の3つです。
- 成果を考えない
- 学びを発見する
- 自分で考えて楽しむ
ここでは、主体的である・受動的であるという点についてはそれほど重要ではありません。
別のページ「受動的な遊び・能動的な遊び!こどもの成長に必要な遊びを子育てから考える」でも触れている通りで、親が考えて与えたものであれば、受動的な遊びの中から学べること・発見できることはたくさんあります。大切なのは『遊びながら学ぶ』ということです。
本来『学び』には成果が求められます。
自分の求める知識・知恵・技芸があり、学校や習い事であれば先生がいて、それを習得するに必要な期間繰り返し練習をしていくことで学び・習得を目指します。その結果、目的としていた知識・技芸が身につく。
ここでの学びはそれとは違います。
最終的なゴールは、知識・知恵・技芸を身につけることであっても、自分自身にとって何を学ぶことが必要なのか?というのは幼少期には決められないものです。遊びの中から、自分にとって必要な学びを発見する。これも大切なことです。
たとえばお友達と遊ぶ中で、言葉・文字の必要性を感じることもあるでしょう。おままごと遊びの中で、お買い物ごっこをする時には、数字の知識が必要なことに気づくでしょう。鬼ごっこをしていれば、もっと足が速くなりたい!このように、遊びを通して自分で学びたいことに気づくことも幼少期はとても大切です。
そして、遊びを通して実践して学んでいくこと。ドリルで「あいうえお」と文字をひたすら書く学習方法もありますが、お店の名前を描き、それによって文字を覚えるということも学び方の一つです。
遊びの中で、もっと知りたいことが出てきたけれども、遊びだけでは消化しきれないことも出てきます。例えばスポーツなどもそのいい例です。上手になるためには、専門的な知識を持った専門家から学んだ方がより高い技芸を身につけることができます。そういうタイミングで、本格的な学習・習い事が必要になってきます。店長の息子も、公園で野球を始め、スカウトしてもらい、地域の軟式野球チームに入り、その後硬式野球のチームに入り、キャプテンをさせてもらったり、全国大会で優勝する経験もさせてもらいました。(今は生き物を学ぶ道に行きたいとのことで野球は辞めてます)
遊びから一歩抜け出すときは、習い事や専門的な学びの場は必要ですが、何事も最初は『遊びながら学ぶ』で十分だと当店では考えています。そういった点で、遊びは学びを発見するきっかけになる活動でもあると考えています。
乳幼児期からはじめたい『遊びながら学ぶ』
勉強の意味は、上でも触れた通りで「無理にでも(強く)努力して励むこと。」とされています。
苦手とか、嫌いとか、言っていられないということです。(苦笑)それらを乗り越えて、強い心で向き合え!と、そういうことらしいです。が、店長はそんなに心が強くありません。嫌なものは嫌だし、苦手なものは遠ざけたくなります。
勉強は嫌いですが学びは好きです。
苦手なこと・嫌いな学びに無理にでも強い心で向き合える子は大丈夫です。
そのままの志で頑張りましょう。でも、店長のように、勉強嫌いで学ぶのがしんどいな、嫌だなという子には、遊びながら学ぶことをおすすめします。
では、遊びながら学ぶとはどういうことでしょうか?
ゲームをしながら教科書を読むとか、おやつを食べながらドリルをするとか、アニメを見ながら宿題をするとかでしょうか?それとは違います。遊びながら学ぶというのは、遊びそのものが学びになっているということです。
そしてパパ・ママには乳幼児期から『遊びながら学ぶ』ことに取り組んで欲しいと考えています。幼少時期の遊びは、日々学びです。そもそも知っていることの方が多くありません。外に出かければ見たこともない生き物に出会ったり、見たことのない社会活動もあるでしょう。ちょっと足をのばすだけで未知の世界です。こどもにってはいく先々が社会科見学です。
そして親の視点から学びというと『学問』と捉えがちです。
国語・英語・算数・・・と、つい大学進学や将来に目を向けた学びが頭に浮かべがちですが、学びは学問だけではありません。
遊びながら学ぶ中には、楽しみながら学ぶ方法を自分なりに会得することもあります。苦手なことでも、楽しく学んでいける方法を自分で工夫して考えられると、苦手だと感じていた勉強に対して応用できることもあります。遊びの中で学んだことを勉強に生かすことで、苦手だったことも取り組み方は変わります。わからないことを自分で考えて解決する力、新しい視点の持ち方は、遊びの中から育まれます。
幼少期に計算がたくさん解けるとか、漢字をたくさん覚えているということよりも、「知らないことに触れ・発見し、そこから学ぶことで、自分の知っていることが増えていく楽しさ」を感じることで、学びという活動に対してのハードルを下げていく。これが、幼児期から児童期にかけてに身につけておきたいことだと当店では考えています。
おもちゃ・絵本・図鑑は最高の遊びの教材
知育玩具と呼ばれるおもちゃに代表されるように、学べるおもちゃ・絵本・図鑑と呼ばれる製品はたくさん世に出ています。
では、おもちゃ・絵本・図鑑で遊ぶことは、学びの生産性を上げる道具になるということなのでしょうか?
これについては、当店では違うと考えています。おもちゃは学びの生産性をあげるものではなく、こどもの遊びを広げる道具であるというのが当店なりの考え方です。
例えば、出題されて答えていくような遊べるゲームがあったとしましょう。確かにこのゲームで遊ぶことで、順を追って効率的に学んでいけるのは、生産性の高い学びのおもちゃといえます。でも、幼少期の遊びながら学べるおもちゃに求められているのはこういったことではありません。これは、ドリルなどの教材が効率的なゲーム性のあるおもちゃに変わっただけだからです。
では、最高の遊びの教材となるおもちゃ・絵本・図鑑とはどのようなものを指すのでしょうか?
これは、自分自身で工夫して新しい物事を発見し考え見つけていけるおもちゃであり、自分で発見したことを知識に加える時に必要となる図鑑などが、遊びの教材となるものです。
遊びを通して、自分の力で課題を解決する力をつけることができれば、難しい課題にぶつかった時に自分でその解決方法を考え、解決する力は育まれます。いわゆるどのような問題が出されても、筋道を立てて解決する方法を見つけ出す力があれば、自ずと困難な場面に遭遇しても、自分自身で答えを導き出せるようになります。
最近必要と言われる、応用力です。
幼少期の頃に必要な遊びや学びは、早くからABC・・・が答えられるとかそういうことではなく、学んでいく際の基盤となる活動・考え方を遊びの中から育んでいくことにあります。ABCやひらがな・カタカナ・漢字など、必要な学問は小学校でしっかり学べます。それらはその時に学ぶでも大丈夫です。
それよりも、幼少期に必要な遊びの中で学ぶべきことがあります。積み木が、時代を超えて小さい頃からのおもちゃで愛されるのか。また、知育玩具として脚光をあびるのかは、上記のページを読むとわかります。
赤ちゃん・こどもを育む専門店として、おもちゃ・絵本・図鑑・児童書・しかけ絵本を中心に揃えているのは、こういった考え方からです。
親子でしっかり遊び、しっかり学んで行きたいですね。
そして当店では、定期的におもちゃ・絵本(選書)が届く「いろや商店くらぶ」を提供しています。赤ちゃんの成長・発達に沿った遊び・学びのサポーターとして「絵本選書とおもちゃ・知育玩具の定期便・定期購読『いろや商店くらぶ』」のご利用も検討くださいませ。目標を決めて取り組むなど、通信教育のようなイメージで楽しんでいただくことも可能です。