読み物
最終更新日:2025年5月24日
絵・写真・文:いろや商店の編集室 × 子育て中のママ
れんさいプロジェクト:赤ちゃん・こどもと遊び学ぶ
子供と北欧の自然遊び『ストーリースティック』から季節の変化を学ぶ
ストーリースティック
自然の中でゆったりと小さな工作をたのしむ
外遊びというとどんなイメージがありますか?
お散歩、ボール遊び、なわとび、追いかけっこ、生き物探し…いろいろな遊び方がありますが、すぐに思い浮かぶのは体を動かす遊びではないでしょうか。子供たちはいつでも体を動かすのが大好きですね。
ですが、今回ご紹介するのは自然の中でゆったりと小さな工作をたのしむ、一味違った外遊びです。
それは、北欧・森のようちえんで生まれた「ストーリースティック(Story Stick)」という自然遊び。
北欧を中心に広がる「森のようちえん(Forest Kindergarten)」は、教室の代わりに森を遊び場にし、子どもたちが自然の中で五感を通じて学ぶ教育スタイルです。最近では日本でも身近な自然を利用しながら実践している園がありますね。季節の移ろいや天気の変化、生き物との出会いがそのまま学びになるこの環境では、子どもたちの想像力や創造性を大切にする遊びが豊富にあります。そんな子供の感性や自然との関りを大切にする教育方針の中で生まれたのがストーリースティック遊びです。これは一本の木の枝に、散策中に拾い集めた草花や葉っぱ、羽根、小石などを巻きつけたり結びつけたりして、自分だけの「物語の杖」を作るというシンプルながら奥深い遊びです。
ただ素材を飾るのではなく、ひとつひとつに名前や意味をつけたり、「これは公園の入口に咲いてたお花」など、自然の中の体験を「語り」とともに残すという点が大きな特徴です。ストーリースティックは単なるクラフトではなく、記憶と自然体験と物語をつなぐ道具。だからこそ、子どもに限らず大人にとっても、思い出を形にする大切な手仕事になってくれるのです。
今回は3歳と8歳の子供たちとストーリースティックを作ってみたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ご覧いただきましてありがとうございます。
育児・子育て苦手な店長が、こどもが主役で書いてますのでゆっくりご覧くださいませ〜。

『ストーリースティック』遊びの材料
ストーリースティック遊びに使う材料は以下の通りです。
- 枝にくくりつけるためのヒモ(何色かあると楽しいです)
- ハサミ
- 仮止め用のクリップや洗濯ばさみ
- 集めたものをいれる袋(必要であれば)

家で準備するものはこれだけ。ストーリースティックはいたってシンプルな道具のみで楽しめます。
ちなみに使用するヒモは少しハリのあるしっかりしたものが結びやすくて重宝しました。
そして、私は後から気づいて実践できませんでしたが、クリップや洗濯ばさみなど「仮止めグッズ」があると子供も作業しやすいようです。小道具の力も借りつつ、成功体験をさせてあげてくださいね。

今回は、『ストーリースティック』という北欧の遊びをご紹介します。
外を散歩する遊びで見つけたものを使って、ぜひご自宅で楽しんでみてください。
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『ストーリースティック』の作り方
ストーリースティックはざっくりいうと以下のような流れで作っていきます。
- 土台となる木の枝を決める
- 飾りを探しながら歩く
- 飾りを枝にくくりつける
- 2~3を繰り返す
ご覧の通り手順はとってもシンプルです。
ストーリースティック遊びに決まりは何もないので、あなたとお子さんが楽しめることを最優先に、色々工夫してみてくださいね。
特に小さい子供の場合は大人と一緒に作業しなくてはいけないので、最初に素材を集めてから、休憩も兼ねてシートの上なのでゆったりとくくりつけていく…というスタイルもおすすめです。もう少し体力が持つようでしたら、あらかじめ枝に何本かヒモをつけておいて、拾ったものをすぐにくくりつけるというのも良いですね。
補足ですが、ストーリースティックは子供はもちろん、大人にとっても聞きなれない言葉です。親子でできあがりイメージを共有したい方はぜひ「story stick nature」と検索してみてください。実際に海外の方が作られた作品の写真を見ることができますよ。

今回は、『ストーリースティック』の作り方です。
とてもシンプルで簡単なので、はじめてでもすぐに取り組めるのが良いですね。
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実際に作ってみました!『春のストーリースティック』
さて、今回は子供たちともよく行く、大きな公園で「春のストーリースティック」を作ってみました。
河川敷や原っぱなど、野草がたくさんある場所を選んでレジャーシートで拠点を構え、思い思いの「春の素材」を探してみましたよ。
ちなみにストーリースティックを作る場所については以下のポイントをおさえると作りやすいと思います。
- 遊具がない、または少ない公園
- 花壇など「誰かが育てている植物」のない場所
- 水辺など危ない場所がないところ
安心して散策できる環境はもちろん、子供たちは遊具があるとついついそちらに気が行ってしまうので、今回は遊具のない場所を選んでトライしてきました。

初めてのストーリースティック作り!まず初めは土台となる木の枝探しからです。
「素敵な棒を探そうね」という声かけから始まりましたが、実際に落ちている枝を観察してみると、長さ、太さ、感触が一本一本異なることに気づかされます。
大きい公園だったので樹木の種類も多く、「この木の枝はずっしりしているね」「こっちの木はちょっと折れやすいね」と子供と言葉を交わしながら楽しく探索しました。
すでに出来上がりをイメージしている8歳の娘はすぐに棒を決めましたが、棒や枝が大好きな3歳の息子は棒選びに熱中。なかなか決まりませんでした。
土台になる棒選びだけでも、それぞれの性格が表れて面白いです。
さて、お気に入りの木の枝が見つかったら今度は「飾り」探しです。この日は春風の気持ちいい季節だったのでたくさんの野草が見つかりました。
タンポポやケシ、シロツメクサにアカツメクサ…色とりどりの花々に子供たちも大喜びでした。
大人はついついその場で名前を調べたくなってスマホを取り出しがちですが、今回はスマホをポケットに入れたまま、花の色や形、生えている場所など、目の前で一緒に共有できる情報に注目して、子供との会話を楽しむことに専念しました。

そして花だけでなく草にも着目することで、普段は「草」とひとくくりにしていた雑草にもたくさんの種類があることに気づきます。子供たちは「こっちの葉っぱは固い」「こっちの草はいい匂いがする」と五感をフルに使って楽しんでいるようでした。
8歳の娘は意識的に草を集めて「緑があったほうが素敵だね」と、自分だけの装飾計画を教えてくれましたよ。
それでは集めた草花をシートの上に広げて、いざストーリースティック作りです。

草花が無造作にならんでいるだけで美しいですね。作業風景も絵になってしまうのが自然遊びの嬉しいところです。
8歳の娘は自分一人で挑戦していました。

柔らかい草花と固い枝を一緒に結ぶのは想像以上に難しい作業。「シートに置いた方が結びやすいな」「こっちのヒモの方が結びやすいな」と工夫を凝らしながら手を動かしていました。
3歳の息子はまだ自分でヒモを結ぶことはできないので、ヒモの色や結ぶ位置を決めてもらいながら大人と一緒に制作。
「このお花とこのヒモの色の組み合わせ素敵だね~」「この葉っぱ、よく見つけたね~」と声をかけると誇らしげでした。

思い思いのストーリースティックが出来上がりました。木の枝の形、草花の種類、ヒモの選び方で、同じ場所で作ってもまったく違った印象になります。
ストーリースティックは水に活けるわけではないので、鑑賞期間は短めです。写真はもちろん、持ち帰って絵に描いて記念にするのも素敵ですね。
今回は春の野原で遊んでみましたが、ストーリースティックは春以外でも楽しめる要素がたくさんあります。
季節ごとにおすすめの素材やテーマも共有させていただきますね。
- 春:ゆたかな草花、新緑
- 夏:葉っぱの形比べ、虫の抜け殻や羽(注意しながら)、力強いツタ
- 秋:カラフルな落ち葉、どんぐりなどの木の実
- 冬:常緑樹の葉、松ぼっくり、枯れ葉、枝だけで構成、冬の物語
私たちの身の回りには豊かな四季があります。季節のうつろいを感じながら、その時々にしか作れないストーリースティック遊びを楽しんでくださいね。

季節を楽しめるのも『ストーリースティック』ならではです。
一年を通して楽しめる遊びですので、季節ごとの違いを見つけることで、子供にとって自然と季節の変化を学ぶことにもつながります。
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『ストーリースティック』で楽しむ親子のコミュニケーション
ストーリースティック遊びで重要なのが、「親子で言葉をつむぐ行為」です。
自然の中にはたくさんの不思議・気づきがあふれています。実況中継する気持ちで言葉にしていくと「なんて声をかけよう」と思うヒマもないほど。大人も積極的に思ったこと、感じたことをどんどん言葉にして伝えましょう。親子の自然な会話の中でたくさんの言葉に触れることは、豊かな言語能力をはぐくむことにつながります。
歩きながら作る場合には、自然の中で「これはどんな名前かな?」「この葉っぱはちょっとツルツルしているね」といった会話を重ねながら散策してくださいね。

先に素材を選んでからまとめて飾り付ける場合には「これ、きれいだったね」「どこで見つけたっけ?」と話しながら手を動かすことで、語彙力や表現力、感性がじわじわと育まれていきます。
柔らかい葉っぱ、ざらざらの枝、冷たい石――素材に触れたときの五感の刺激が、言葉として立ち上がるのです。
さらに、「自分だけの作品ができた!」という体験は、自己肯定感や自己効力感(自分でできるという感覚)にもつながります。
どんなふうにまとめようかと一緒に悩みながら考える時間も、子どもにとっては大切な学びの場。
大人が迷ったり試行錯誤したりする姿を見せることも、「誰でも迷うことがある」「失敗しても大丈夫」という安心感につながっていくのです。

遊び方がわからないとご相談をいただくことが多いです。
こういった目の前のものを見つけて組み合わせた遊びは、とても取り組みやすいです。ぜひ、取り入れてみてください!
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ストーリースティック遊びで注意すること
楽しいストーリースティック遊びですが、実際におこなう場合には以下の4つの点に注意しましょう。
- 道具の取り扱い
- 棒を持って歩くときは注意
- 害虫
- 人が育てている植物を採集しないこと
まずはハサミなどの道具の取り扱いです。小さい子と行う場合には必ず大人と一緒に道具を使うようにしましょう。
続いて棒(木の枝)の取り扱いにも要注意です。遊びの特色上、枝を持ち歩くことになりますが、「走らない」「振り回さない」など、あらかじめルールを確認しましょう。ついつい走ってしまうようでしたら、一時的に大人が枝をあずかるのも手です。
また、自然の中に入っていく遊びなので季節問わず害虫にも気を付けましょう。服装は長袖・長袖が安心ですが、気候などにより難しい場合は虫よけグッズを活用してくださいね。
そして最後に、飾り素材を集める際には花壇など、「誰かが育てている植物」を取ってしまうことがないように注意してください。子供にとっては野草も花壇も同じように見えてしまうので、花壇が近い場合にはあらかじめ「ここは入らないでね」と伝えてあげると安心です。

棒を持つと、特に男の子は振り回して遊びます!
完全に目的を見失うケースがありますので、その時はしっかり子供とお話をして、今回の目的を共有しておきたいですね。
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ストーリースティック遊びで得られるもの
今回はじめて実践したストーリースティック遊びでしたが、本当にシンプルな材料で何重にも楽しめる内容でした。
たくさんの言葉を自然な流れで発することは言語能力の発達につながりますし、「どれが好き?」「どこが好き?」と繰り返し問いかけることで、子供の思わぬ「好き」にも出会えました。
また、ストーリースティック遊びは子供の年齢によって様々な楽しみ方ができるのも嬉しいポイントです。小さな子でも、素材を自分で見つけることで達成感を味わうことができました。

同じ場所でも日によって得られる素材が変わるため、何度でも繰り返し遊ぶことができるのもストーリースティックならではです。そしてなにより、目の前で作品を作りあげていくライブ感には大人も子供もワクワクしました。また、子供が自ら工夫する様子には成長を気づかされました。
2回目以降は「今日はどんな風にしようかな」とあらかじめ計画するのも楽しいですし、「次はこんなヒモが欲しいな」「こんな素材を集めたいな」と次回に向けて思いを巡らす時間も素敵ですね。
突き詰めればヒモとハサミさえあればできてしまうので、これからピクニックなど、外へお出かけする時には常にカバンにこの2つの道具を忍ばせておきたいと思います。
あなたもぜひ、身近な自然と触れ合いながらストーリースティック遊びを楽しんでみてください。
なお、子供との遊びに悩んだ場合は「もぅ悩まない!遊び方がわからなくても大丈夫、こどもと向き合った遊び方」もご覧くださいませ。
最後に、当店では一人一人にあった『遊び道具・遊び方』をお届けする定期便を提供しています。どうやって遊んだら良いか?何を購入したら良いか?と悩んで結論の出なかった方は「絵本選書とおもちゃ・知育玩具の定期便・定期購読『いろや商店くらぶ』」のご利用も検討くださいませ。目標を決めて取り組むなど、通信教育のようなイメージで楽しんでいただくことも可能です。

この下には、店長による「まとめ(あとがき)」を簡単に書いてます。
今回は、北欧の遊び『ストーリースティック』を楽しみました。外に出かけて拾って作る!子供の大好きな「拾う・集める・飾りつける」が楽しい遊びです。
もし、何か聞きたいことがあったら、当店の『いろや商店くらぶ』も検討してみてください。お子様の成長・発達に沿った遊びをサポートする身近な存在として、いつでもドシドシ!ご相談をお受けしております。デコレーションを工夫して楽しんでください。🖍️
あとがき
インターネットの普及でSNSなどを通じて、世界中の遠くの世界のことも知る機会がとても増えました。でも身近なことへの知識について希薄化していると感じることも店長はあります。そんな時におすすめの遊びです。
家の周りに落ちているもの、少し近くの林・森に足を運んでみる。そうして季節を感じ楽しむことができる遊びです。何をして遊ぼうかな?と遊びに悩んだ時に、少し自然の広がる場所がある方なら取り組んで欲しい遊び。
ということで今回は、北欧の自然遊び『ストーリースティック』を作ってみました。