読み物
最終更新日:2022年11月19日
絵・写真・文:いろや商店の編集室
れんさいプロジェクト:赤ちゃん・こどもを育む環境づくり
どっち?『ブロック』と『積み木』の違いを丁寧に解説します
積み木とブロックの違い。
理解していますか?しっかり理解できます
『積み木』は木だから積み木。
『ブロック』は木じゃないからブロック。
こんな勘違いしていませんか?残念ながら不正解です。素材によって名称が違うということではありません。
では、何が『ブロック』と『積み木』では違うのでしょうか?そこでこのページでは、子供の成長・発達の視点なども取り上げながら『ブロック』と『積み木』の違いを丁寧に解説いたします。
いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ご覧いただきましてありがとうございます。
育児・子育て苦手な店長が、こどもが主役で書いてますのでゆっくりご覧くださいませ〜。
『積み木』と『ブロック』形状の違い
冒頭でも触れましたが『積み木』と『ブロック』のおもちゃは素材の違いが名称の違いではありません。
というのも積み木の多くは、木製であることは多いですが「【専門家がおすすめ・選び方を解説】人気の『積み木』を徹底比較」でも丁寧に比較・解説している通りで、木製以外にもコルク製・プラスチック製などもしっかりあります。
また、『ブロック』のおもちゃの多くは、プラスチック製であることは多いですが「【専門家がおすすめ・選び方を解説】人気の『ブロック』おもちゃを徹底比較」でも丁寧に比較・解説している通りで、木製の製品も少ないですがあります。そのため、素材によって名称が違うということにはなりません。
ちなみに、海外では積み木をブロックとも言います。
当店で扱っているHABA社の積み木は「ブロックス」というシリーズですが、このように海外では積み木とは言われず「TOY BLOCK」と呼ばれます。なので、海外では『積み木』と『ブロック』は同じというよりも仲間という方が正しいですね。ブロック遊びの道具として積み木は存在しています。
ただし、日本では明確に『積み木』と『ブロック』は区別されています。
その大きな違いの一つに、見た目にもわかりやすい「形状」があります。
まず、『積み木』には凹凸があってはめ込んだり・繋げたり・くっつけたりという形状の製品は多くありません。
そもそもにシンプルな形状をしたものがほとんどで、四角形・三角形・円柱など図形そのものの形をしたものがほとんどです。
それにひきかえ『ブロック』のおもちゃの多くは突起物や素材自体に加工があるなど、繋げたり・くっつけたりしやすく加工されているものがほとんどで、突起物などがついている製品が多くなります。例えば当店で扱っている「コネクトリンクス」もそうです。
以下の、「車の組み立ておもちゃ(ベック・レトロトラック)」は積み木として表記されることが多いですが、厳密には木のブロックの一種です。
この理由は次で書きますが、遊び方が関係しています。
また『積み木』と『ブロック』ではサイズが違います。
積み木では基尺と呼ばれる、基本サイズがあります。(詳しくは「【専門家がおすすめ・選び方を解説】人気の『積み木』を徹底比較」でサイズごとに製品も紹介していますので、そちらをご覧ください。)これは赤ちゃんの口に入らないサイズをもとに考えられていますので、多くの積み木は4cm以上で作られています。その理由はチャイルドマウス(乳児の口の大きさは直径32mm、3歳児は直径39mm)にあります。積み木は0歳の頃から手にすることが多いので、その際に口に入れないようにと考えられたサイズで一つのパーツが作られています。
ですが『ブロック』においては、積み木でいう基尺という考え方はありません。
一応に、一つの突起がつく最小基本単位というのは存在していますが、例えばレゴブロックであれば「8mm」です。一つのパーツがこんなに小さいと、簡単に赤ちゃんの口に入ってしまいます。が、あくまでもこれは1つの突起に対してなので、これだけ小さいパーツはありません。ですが、基本的に『ブロック』のおもちゃはチャイルドマウスをあまり意識せずに作られています。それは、遊びの対象が赤ちゃんではなく、もっと上の年齢(幼児期以降)であるためです。
これは、この先でさらに解説いたします。
まずここまでで知って欲しいのは、『積み木』と『ブロック』のおもちゃでは形状・サイズにおいて、大きな違いがあるということです。
まずは製品を見て、繋げたり・はめ込んだりするように作られていたならそれは『ブロック』のおもちゃです。逆に、立方体・円柱・円錐などシンプルで何をして遊ぶのかわからないような形状で作られていたら、それは『積み木』です。
あわせて、上でも触れた通りパーツの大きさにも着目してください。
このページでは、徹底的に「積み木」と「ブロック」の違いについて書いていきます。
まずは、素材や形状の違いについてです。💁♂️
- 店長が解説!いろんなおもちゃの徹底比較
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- ※ 店長による徹底比較では、他店製品も含んでおります。
成長・発達に沿った『積み木』と『ブロック』遊び方の違い
この前では、『積み木』と『ブロック』形状・サイズの違いについて触れました。
見た目からもそれぞれ区別しやすいです。そしてこれは、遊び方の違いにもつながっていきます。
まず『積み木』と『ブロック』は共に「構成遊び(『構成遊び』は揃える・組み立てる・壊す遊び!当店人気のおもちゃの理由も教えます)」で活躍するおもちゃですので、知育玩具と言われることも多いです。
知育玩具については「人気・おすすめ『知育玩具』おもちゃ選びの専門家が徹底解説!」で丁寧に解説していますので、しっかり理解したい方はご覧ください。
また、STEM・STEAM教育の一環として遊びながら学ぶ教材として扱われることも増えてきました。STEM・STEAM教育については「理系力を育む!STEM・STEAM教育で人気のおもちゃ・絵本・図鑑」で書いています。
どちらの製品も、積んだり・並べたり・揃えたりとして遊びますが『積み木』の方は突起物やはめ込んで遊ぶように作られていませんので、一つ一つの積み木パーツをのせていくことになります。つまり、丁寧にのせないとすぐに崩れてしまいますし、形状が噛み合わなければ積み上げることはできません。また、積み木パーツの重さなどによって安定性も変わります。
このように、『積み木』を使って遊ぶ場合は、この不安定さを楽しむことになります。
逆に、『ブロック』のおもちゃは積んでいくのはとても楽です。もともと繋げて遊びやすいように形状が作られていますので、相互につながるパーツを繋げていけば、簡単に・大きく、積んだり、並べたりとしていくことができます。
つまり、積み木に比べてとても簡単で楽に繋げていけるということです。
これは大きな違いです。
ここまで解説したように『積み木』と『ブロック』のおもちゃではその遊び方にも大きな違いがあります。
それには理由があります。『ブロック』のおもちゃは主に、部品・パーツをつなぎ合わせて、一つの造形物を作ることを目的としたおもちゃであるからです。一つ一つのパーツが造形物を作る上での部品として存在していますので、どちらかというとパズルのおもちゃに近い要素があるということです。こういった遊びは、プログラミングを学ぶ上での基礎にもなります。「【幼児期】おもちゃ・絵本で『プログラミング学習』自宅で遊んで学ぶ活用方法を教えます」では、幼児期のプログラミング学習についても触れています。
パズルについては「人気・おすすめ『パズル』おもちゃ選びの専門家が徹底解説!」で丁寧に解説していますので、興味があればあわせてご覧ください。
かたや積み木遊びの目的は、シンプルに積み上げることと、崩れることなど、形状が変化したり自分で試行錯誤して造形を作っていくイメージする力を求められます。もちろん、『ブロック』でもそれぞれの部品を組み合わせたオリジナルの構造物を作ることは可能ですが、積み方のように積み上げ方に応じて崩れるといった、試行錯誤は求められません。
積み木遊びでは、自分で作ったものが壊れる・崩れるといった、うまくいかないことがたくさん起こります。何回も何回もチャレンジし、大きな構造物を作る忍耐力が求められますが、ブロック遊びではパーツ一つ一つが小さいので、細かな造形美を意識しながら、イメージに近い構造物を黙々と丁寧に作る忍耐力が求められます。
つまり、どちらも集中力や忍耐力を求められますが、その遊び方は違うということです。
そしてこの時に大切になるのは、各パーツのサイズです。
積み木の場合は一つ一つの積み木パーツのサイズは手に持って、手全体を使って遊ぶことが多いですが、ブロックの場合はブロックパーツが小さいですので、手よりも指先を使って遊ぶことが中心となります。
つまり、遊びの対象年齢が指先の微細運動の成長・発達と関連するということです。
積み木遊びの多くが、0歳〜3歳頃が中心で、その後ブロックのおもちゃに移行することが多いのは、こういった理由があります。子供が小さい頃は指先を細かに使って遊ぶことはとても難しいので、積み木くらいの大きさのパーツを組み合わせた方が楽しく遊べます。小さいパーツを繋げるのは小さい子には大変な動作だからです。でもこれが3歳以降になると、指先を使って細かな動作も楽しめるようになりますので、ちょうどその頃から、ブロックのおもちゃで遊ぶ子もとても増えます。
手・指先を使っての遊びについては「握るからつまむへ!乳幼児期に『指先や手を使った遊び』を育むおもちゃが大切な理由」でも書いています。
このように、『積み木』と『ブロック』のおもちゃでは一つ一つのパーツの形状が違うことにより、遊び方は大きく異なります。それは遊びに求められる目的も変わるということです。
ここまで書くと、いつどちらを選ぶ方がおすすめか、何歳頃に揃えたら良いのかが見えてきたかと思います。
次は、どちらがおすすめか?を書いていきます。
「積み木」と「ブロック」は、遊び方に大きな違いがあります。
そして、赤ちゃん・子供の成長・発達も関係してきます。月齢に対して、どちらを選んだら良いのか?少しずつ理解も深まってきたと思います。🤗
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『積み木』と『ブロック』どちらがおすすめ?
前項では、『積み木』と『ブロック』のおもちゃの違いに触れてきました。
それぞれ同じような形・見た目をしていても、全く違った知育玩具・おもちゃということに気づいたかと思います。
ここまで書いたことをまとめると、『積み木』と『ブロック』のおもちゃのおすすめの購入タイミングというのはハッキリします。
まず『年齢』でいうと、上でも触れた通りで「最初の構成遊びのおもちゃ」として買うなら『積み木』です。
積む以外にも、崩れるといった物理の法則を体感することができ、立体を学ぶ時にとても良いおもちゃです。知育玩具と言われる理由に頷けますね。0歳の頃は手に持って触れて舐めたりして遊んでいる、たったこれだけでも良い製品だからです。
そして、積み木で遊んだ後、より複雑な構成遊びをするステップアップとして『ブロック』のおもちゃを手に取ることをおすすめします。ここで大事になるのは、積み木遊びのステップアップにするということです。
さて、『造形を作る』という点でいうと、『ブロック』のおもちゃの圧倒的な勝利です。
一つ一つのパーツは小さく、色合い含めてパーツを自由に細かく組み合わせて造形をつくりあげていくことができます。
ただ、短時間で大きな町をつくりたい!という場合は『積み木』をおすすめしますが、建物も一つ一つつくり、ジオラマのようなリアルな街並みをつくりたい!というのであれば『ブロック』のおもちゃです。
このように、『積み木』と『ブロック』を比較して選ぶ場合は、それぞれのおもちゃを使う赤ちゃん・子供の年齢と、つくりたいもの・遊び方に応じて選ぶことをおすすめいたします。
なお、『積み木』と『ブロック』で遊ぶ頃の月齢の子(0歳〜3歳)の成長・発達に沿ったおもちゃ・知育玩具・絵本・図鑑と遊びについては、以下のそれぞれの年齢で解説していますので、あわせてご覧ください。
こどもの遊びの環境づくりの参考になるはずです。
『積み木』と『ブロック』どちらがおすすめ?
と、店長に相談を寄せられることが多いのでここでは書くことにしました。どちらも楽しいおもちゃですが、使い始めの年齢や遊び方に違いがありますので、ここに書いたことを参考にして選んでみてください。🤔
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『積み木』と『ブロック』を選ぶ時の注意点
最後に『積み木』と『ブロック』のおもちゃを選ぶ時の注意点について触れることにします。
というのも、ここまで書いた内容を読むと『積み木』は、3歳頃でブロックのおもちゃに取って代わられ使わなくなるのではないか?遊ぶ期間が短いのではないか?と感じると思います。
特に、年齢が上がるにつれて『ブロック』のおもちゃのセットはパーツ数が増え、目的の造形物のハードルも上がります。これは、ジグソーパズルのような感覚です。様々なセット商品のある『ブロック』のおもちゃは、並んでいるセット・シリーズを見るだけで心が躍ります。
では、積み木はお役御免でしょうか?
上でも触れましたが、『積み木』はとてもシンプルな製品です。
シンプルな図形の形状をしたパーツのセットですので、遊び方は自由です。どちらかというと遊びを考えるという点で言えば、年齢が上がっても『積み木』は大切にしてほしいと考えています。
何も目的もないシンプルな形状ですが、たとえば、算数の勉強の時にも活躍してくれます。
積み木を使った遊び方については「意外と知らない積み木の遊び方。0歳〜小学生まで親子で考えて長く楽しめます」でも紹介していますので、遊ばなくなってきたな・・・と感じたら、ブロックにすぐ手をつける前に立ち止まって考えてみてください。
そして『ブロック』のおもちゃですが、パーツはシンプルで使い回すことはできるのですが、新しいシリーズが次から次へと出てきます。長く使い続けられると思って買ったのに、新しいシリーズにしか入っていないパーツがある。や、人気のキャラクターなどのテーマが出てそれを買い足す。のように、買い始めたらコレクター化してしまうという場合もあります。
積み木の場合は、数量が足りない分の積み木パーツを買い足すという程度で、定期的(頻繁)に買い足すということは起こりませんが、『ブロック』は毎年新しい製品が出てきますので、その分買い足しが発生して出費がかさむということに気づくことになるでしょう。
そういった点からも、遊び始めは遅い方が良いというのはお伝えしておきます。
『積み木』は、出産祝い・1歳の誕生日のお祝いプレゼントに選ばれることが多いです。
また、『ブロック』のおもちゃは、誕生日・クリスマスプレゼントなどのお祝いプレゼントに選ばれることが多いです。
以下「【専門家がおすすめ・選び方を解説】人気の『積み木』を徹底比較」「【専門家がおすすめ・選び方を解説】人気の『ブロック』おもちゃを徹底比較」では『積み木』『ブロック』についてありとあらゆる比較をしてまとめています。それぞれのおもちゃを購入する場合の選び方・違いから、人気のメーカーなど余すことなく書いていますので、適当なおすすめ・比較サイトに騙されないよう、おもちゃの専門家として書いていますので、参考にご覧ください。
この下には、店長による「まとめ(あとがき)」を簡単に書いてます。
ここまで読むと「積み木」と「ブロック」の違いを理解して選ぶことができるようになるはずです。
もし、何か聞きたいことがあったら、当店の『いろや商店くらぶ』も検討してみてください。お子様の成長・発達に沿った遊びをサポートする身近な存在として、いつでもドシドシ!ご相談をお受けしております。お気に入りの『積み木・ブロック』に出会えますように。👏
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- ※ 店長による徹底比較では、他店製品も含んでおります。
あとがき
ここでは『積み木』と『ブロック』のおもちゃの違いについて丁寧に書いてみました。
どちらを購入したら良いのか?遊び始めや購入タイミングの年齢はいつころが良いのか?このページを最後まで読むことで理解できるはずです。『積み木』と『ブロック』それぞれどちらも、知育玩具として人気の高いおもちゃです。
一つ一つのパーツを組み合わせて造形物を作るところまでそっくりです。でも、このように比較して見ると遊び方などに応じたちがいがあります。
どちらも、一人での遊びから、親子・お友達と、たくさんの人数が集まっても楽しめる遊びの道具ですので、このページを参考におもいっきり楽しんでもらえればと思います。