最終更新日:2021年5月31日
戸田デザイン研究室(戸田やすし・大澤千早) × いろや商店の店長
雑談・インタビュー:絵本・おもちゃ・雑貨の生まれる場所
ちょっとそれは…、こどもの感性っておもしろい。戸田デザイン研究室を訪ねて(3)
全3回の今回が最後です。
戸田デザイン研究室の大切にしている「感性」に少し触れることができました。こどもに対しての想いや、考えを通して、ロングセラーの続くおもちゃ・絵本がどのようにして生まれるのか、今回のインタビューから垣間見ることができています。
世代が変わっても、こどもに対して真っ直ぐに向き合っています。
静岡にある、戸田デザイン研究室の美術館
戸田:
静岡の絵本の美術館で、原画の展示もしてあるんですけれども、おもしろくてですね。
家族で見に来て、ショップのところで何か本を買って帰ろうと話をしていて、お父さんとかお母さんとかが、じゃぁ好きな本ひとつ買ってあげるよと言うと、いろんな本の中からこの本(竜のはなし)を持って来たりするんですよ。その時、「親が、それはちょっと…」みたいになって(笑)
店長:
はい。(笑)
戸田:
こういう本にしなさい。と、親が説得するんですよ。
(一同、笑。)
戸田:
この本おまえ、ちょっとなぁ….なんて。(笑)
(一同、笑。)
戸田:
なんかね、いろんな子が居て。
もちろん明るくて楽しそうなものを選ぶ子もいるんですけども、こどもの感性って色々でそれはすごくおもしろいなと思って。
意外とそれを親はこどもを一つの型の中で考えて、この年齢ならこの本とか、5歳ならどんな本が向いてますかとかもよく聞かれるんですけれども、そういう風に考えるのは大人の方が多かったりするのかなぁ〜なんてちょっと思いますね。
店長:
対象年齢ってとても難しいと思っていて。
おもちゃであれば誤飲とか、手足身体の使い方などからある程度対象年齢は見えてくるんですが、本はそういう意味では難しいですよね?小さい頃から読んでも問題ないよなぁというのもいっぱりあったり…。
大澤:
そうですね〜。
何年後かに、ふと意味がわかったりもありますからね。
店長:
好奇心に素直なので、親に聞いたりわからなかったら自分なりになんとかしようとするので、本は対象年齢が難しいなと….。「あいうえおえほん」のような本は対象年齢がわかりやすいんですが、特にこういう本(竜のはなし)は何歳からいいのかわからないですね。
アンティグア・バーブーダ
大澤:
「こっきのえほん」なんかも、すごくまだ小さくて国名なんかまだ記憶できないんじゃないかな…なんて思っていると、大人でも言えないような国名をパパッと言ったり。(笑)
店長:
すごく印象的な国旗とかあると、すごく覚えてたりするんですよね。
覚え方がちょっと違う、というか….。
戸田:
リングカードの「国旗」で、「アンティグア・バーブーダ」という国があるんですけれども、これが結構こどもに大ウケなんですよ。
戸田:
「カナダ」「アメリカ」….ときて、
「アンティグア・バーブーダ」が出てくると、こどもたちみんなが「わーーーーっ!」となるんですよ。
(一同、笑。)
大澤:
プチ国旗博士みたいなお子さんもいたりで、ほんとうにお子さんの秘めている力はすごいなと…。
母はすごい
店長:
今までデザインの仕事をしてきて、急にこっちで食べて行くと言い出した時は、家族で驚かなかったですか?
戸田:
そうですね〜、家族の負担が増えるなぁと。
(一同、笑。)
戸田:
母は偉いですね、ほんとそう思います。
あちこち売りに行く時とか、父はいつも近くの池に釣りに行くんですよ。
そして母は、車に本を詰めて幼稚園とかに行くんですよ。
母が帰ってきて、釣りから帰ってきた父が「どうだった、本売れた?」って聞くんですけど、それをよく目にするという、母はすごいなと思いました…。
店長:
継がれたということになったと思うんですが、続けるにあたってお父さんと何か話し合ったりされたんですか?
戸田:
ん〜。そんなに、なかったですね。
ちゃんと父とやろうとスタートしたのは1990年なんですけれども、その時にどうやってやるかというのは固まってありましたので、どうもこうもなくて、それまでやってきたことをしっかりやって行くというそれしかなかったので、新しく何か考えてということは無かったですね。
流行の、知育玩具について
大澤:
知育というワードは、そういう場面で置いていただいていて、とてもありがたいと思っているんですけれども、それぞれのご家庭での考え方もありますし難しいなと思うこともたくさんあります。
私たちは、これからお子さんがどんどん大きくなって、自分で答えを見つけて人生を作り、生きていかなければいけない中での下支えになっていくようなジャンルの小さな力になっていけたらと考えてます。
店長:
教育って、難しいんですよね。
教育の低年齢化についても、とても気になってます。
この絵本で「あいうえお」を覚えられるんだよというのではなくて、遊んで楽しんでほしいですね。
店長:
教育でおもちゃを選ぶというより、
おもちゃをいろんな使い方で遊びながら「楽しいなと感じること」がとても大切だと思っていて、
親としては、こどもが好きなことを見つけて、のめり込めるキッカケをつくってあげられればいいなと。
なので私たちは、教育ではなくて「育む環境に必要なもの」を届けるお店として頑張ってます。
戸田・大澤:
たくさん遊んで欲しいです!
余談
スマートフォンや、デジタル化のお話もたくさん出てきました。
スマートフォンを渡され、たくさんのゲームに触れ、大きくなったこどもたちがどんな大人になるのだろうか?
これから、デジタル化が進んでいく中で本や遊びはどうなっていくのだろうか?
話題は尽きず、まとまりきらず、分からないこともたくさんありまして、これからも定期的にインタビューを重ねながら、戸田デザイン研究室のご紹介をしていけたらと思います。
- 店名・会社名
- 戸田デザイン研究室
- かんたんなご紹介
- 戸田デザイン研究室の作品は、とだこうしろう(1931-2011)と戸田やすし(1962-)の2人が制作を手がけています。
知育絵本にデザインの美しさ・楽しさを取り入れた、とだこうしろう。父・とだこうしろうの感性を受け継ぎながら、より自由で新しいモノ作りを行う、戸田やすし。どちらも、「手に取る人がワクワクし感性を豊かにするようなモノを届けたい」という考えから、とにかく丁寧な作り方を大切にしてきました。 - URL
- https://toda-design.com
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