読み物
最終更新日:2020年3月8日
絵・写真・文:いろや商店の編集室
れんさいプロジェクト:いろやのこと
子育てパパの起業。まさに苦労をお金で買った30代は失敗と挫折の日々
こんにちは。いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ここ「いろやのこと」では、まったりマイペースにいろやのあらゆる側面のおはなしをお伝えしています。
今回は、店長の『起業』について書くことにしました。
フリーランスとして独立をした20代、こどもが誕生した30代、時を同じく法人化(会社化)をし、ついに40代に入りました。まだまだ(きっと)続く人生の中で、このお店をするに至った道のりを少し振り返り、今だから少し書けるようになった『起業』のことですが、今をときめく憧れの働き方の一つのようです。店長の場合は結果的に、挫折と失敗ばかりの日々で、それは今も続いていますが、人生として考えるとなかなかできない経験ばかりで面白い人生を歩んでいるなと、自分なりに感じています。この経験きっと何か・誰かの役には立つはず。そう思って、書くことにしました。
今後も「成功」という2文字にたどり着くことはきっとないと感じてますが、目指している先への途上ということで、今後も書けるタイミングに合わせて、少しずつ過去のことをここに書き出してみることにしていきます。
歩んでいる道はどれも、このお店に通じているのを日々感じてます。ここは、そんなところです。

いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ご覧いただきましてありがとうございます。
育児・子育て苦手な店長が、こどもが主役で書いてますのでゆっくりご覧くださいませ〜。

30代子育てと仕事の両立
先日、大学生を前に『起業』について話をする機会を頂いてお話をしました。
アントレプレナーを志す若い人を応援する活動の一つということで、自分なりに経験したことや自分なりに過ごしてきた日々のことをお伝えしました。大きく成功した方・有名な方々のように胸を張って言えるようなことは何も無いですが、経験してきた事実くらいは正しく人に伝えられるので、聞いた人の捉え方に合わせてそのまま感じ取れるように伝えるようにしています。
いつになっても多くの人の前に立って話をするのはとても苦手です。営業をしたり、人と話をしたりは全く苦ではないんだけれども、大勢の前に立つのだけはいつになってもダメですね。起業家としての素質ゼロです。(苦笑)
店長なりの起業についてを毎回話すのは大変だし、本にするほどのことでもないので、こうやってたくさんの人が無料で読めるようにブログのような感じでここに書いてます。店長の壮大で勝手な独り言です。この一つ一つの点が、この店の運営に線となってつながっています。この「いろやのこと」はそんなところです。
東京へ上京して来るまでのお話、そしてフリーランスとなった20代については以下の二つの記事で書いています。
20代は運にとても恵まれました。(そして、30代にその運に見放されました。これについてはこのあと書きます)
20代前半の上京するときにうっすらと考えていたことは、上京後早々に実現してしまうことになります。勢いのまま、流れに流されるように金銭的にも豊かな時代でした。欲しい物は値札をみずに買う。そんな感じですね。仕事も順風満帆で、さまざまな大きな仕事に関わる経験もでき、それにともなって金銭的にも豊かになるという、人にとっては憧れだったり、夢だったりというのを一つ達成した状態ではあったのだと思います。(私はそんなことを思ったことは一度もなかったです)
30代に入ると、こどもが生まれました。
生活の大きな変化です。自分自身の仕事への向き合い方も、日々の時間への向き合い方も大きく変わりました。
この頃から仕事の仕方や時間の使い方をとてもよく考えるようになりました。あらゆる時間を仕事に費やしてきた店長にとって、子育ての時間との両立を求められるようになります。わたしは子育てに向いてないなと、想像以上に過酷でした。
何のために仕事をし、何のために今日働いているのか。
ボランティアをしたり、募金をしたりばかりが社会貢献活動ではなく、資本主義社会の中で、経済活動に参加するのも立派な社会貢献活動です。働くことは社会活動で、それそのものが社会貢献になると考えています。仕事をするということは、社会の中で必要とされる活動に協力をすること。個人でも組織人でも変わらないというのは店長なりの考え方です。
働き方の多様性・独立と起業の違い
育休制度・女性の社会進出や、起業支援サポート、コワーキングスペースの発展など、働き方にも多様性が出てきました。
100人いれば100の個性があって、それらを小さい頃から育むことを当店ではもっとも大切なことの一つとして考えています。働き方の多様性は、生き方の多様性です。自分自身の心が深いところから喜び、輝く道を見つけた時がスタートライン。
スタートラインに立つのは、早ければ早い方が良いです。その分たくさんの失敗ができます。間違ったと思ったら、そこで道を変えたら良いから。当店ではその個性を小さい頃から見つけ育むお手伝いをしているお店です。
さてここで『独立と起業の違い』について、少し触れることにしました。
並列に語られることも多いこのふたつです。近いようで遠く、遠いようで近い。どちらも共通していることは組織の中の一人として、所属していた会社の理念やビジョン、課題解決の道から一歩外れ、自分のスキルや描いたビジョンで歩き出すということです。
『独立』は、もともと持っているスキルを活かして、自分自身が所属していた同じ業種・業態内で別会社を作ったり、個人事業主として活動することです。いわゆる前職のスキルや看板をそのまま生かして、組織から飛び出すことです。
店長も最初はここからスタートです。Web制作会社に入り、そのままWeb業界の中で制作者として独立をしました。これが20代です。
一方『起業』は、今までにない業種・業態を生み出したり、今まであった業種・業態の中でまったく新しいアプローチで商いを起こす個人・法人のことを指します。前職のスキルを活かしてまったく新しい仕組みとしてチャレンジしたり、未知の領域に新しい市場を作る活動もこれを指します。今の店長はこちらです。
店長は、組織人として組織が目指すビジョンに共感し、共に活動する(サラリーマン)のも一つの働き方・生き方として良いと感じています。決して、起業や独立がすべての生き方の正解になるとは考えていません。
自分が応援したいと思えるような頑張っている会社があり、そこに入り自分自身が輝けるチャンスがあれば組織に入るのも良い選択肢です。
起業をするにも特定のジャンルでは独立できるだけのスキルや力・経験(その分野での知識)がある人が多いです。
自分自身に技術的なスキルがある人は独立がしやすいですし、人を動かすことが得意な人は起業の方がしやすいと考えるでしょう。でも、技術的なスキルのある人を動かすには、それ相応の知識が必要になるので、結果として何かしらに特化したスキルや知見を持っているというのは必要になります。
ないよりはあった方が良い。でも、情熱と行動力があれば、多少のスキルは乗り越えられると感じてます。
起業に描く、夢と現実
さて、30代に入り「独立」から「起業」への転換をすることになります。
店長は上にも書いた通り「独立」からスタートを切ったのですが、30代に入り子育てと仕事の両立という一つの人生の分岐点に入りました。働き方を変えることにも迫られ、暮らしも育児・子育てという未知の世界に入りました。そんな日々の中で、新しい出会いや新しい発見があり、今このお店にたどり着きました。
30代に入り少し経った後、フリーランスとして活動してきた日々に終わりを告げ、法人化をすることにしました。
こどもができたことでフリーランスという仕事の仕方への危うさも感じていましたし、漠然と会社というものを作ってみたかったという好奇心も強くありました。他にも、Webの世界も深く広くなり始め、一人で学び歩んで行くことの限界を知り、同様に日々の仕事の中で自分自身の限界も知り、新しい仕組みで組織の枠組みを作り、そのなかでお互いが成長しあえる組織を作りたいと考えたのも始まりで、この時、会社にいるスタッフ同士の成長が、会社の成長になると確信していました。
経営者と社員という関係ではなく、会社はあくまでも生活の保障をする場。(会社版ベーシックインカムを考えていたのかもしれません)皆がそれぞれの個性で会社を通して社会や世の中に技術などの形で力を発揮し、新しいチャレンジをしていく仕組みを作ろうと試行錯誤し頑張りましたが、結果としてはうまくいきませんでした。もしかするとこれはそっくりそのまま、ベーシックインカムを行った時の社会の縮図になるのかもしれません…。
いくら雇用をしたからといって、会社に勤めるスタッフに求めすぎは良くありません。
会社へ求めることは人それぞれ違います。いくら会社が枠組みを作りそこを目指したところで、みんなでそこへ向かえるとは限らないのです。噛み合わないパズルは、どこまでも噛み合わない。今になって気づくことがたくさんあります。
私自身に力がなかったことがすべてでしたが、会社を作った頃は、夢や希望に溢れ、描く未来は輝かしいものでしたがなんだか懐かしいです。(苦笑)
法人化をした後は、もともと行なっていたWebの仕事の活動の幅を広げていきました。
協力してくれる人も増えたので、上流工程から下流工程までワントップで対応することができるようになりました。会社として受けられる仕事の規模も大きくなるので、本来は順風満帆といって良いでしょう。でも気づいていました、現場から少しずつ距離を置くことから仕事のクオリティが落ちていることと、会社の技術レベルが降下していること、会社のモチベーションが低下していたこと。
「独立」からスタートし人が増え始めると、現場側に残るか、離れるかの選択を迫られるタイミングが訪れます。この時私は、離れることを選択しました。自分自身が現場に入らず、経営に専念するためには通らなければいけない茨の道とは思っていましたが、やはり茨の道でした。
会社を安定・成長させるためには、経営者自身が外へ出る時間と、新しい発見や出会い、会社の成長の芽を見つける時間を生み出すことがとても大切だと感じていました。フリーランスの時には難しかった活動の一つで、この時間を作るために会社という形を作ったとも考えています。色々な物事を見て人に出会い、過ごすこと。密度の濃いインプットを行い、一人で徹底的に考え、その時に最適だと思うアウトプットを直感で出す。自分の直感を日々研ぎ澄まして、大切なタイミングでしっかりと決断できるようにするのは、多くの経営者が大切にしていることと思います。
でも、日々の業務や社内雑務に追われていてはこれらを行うことはできません。そんなわけで、そこへ向けて大きく舵を切ることになります。これが30代中盤、ちょうど運(?)に見放されるタイミングです・・・。(苦笑)運に見放された理由はわかってます。穏やかな毎日が何よりも好きな自分が、一日も穏やかではなかったからです。この頃家族には、いつも頭にツノを生やしていると言われてたのを覚えています。
30代の中盤、失敗と挫折・発見
現場から離れるのはとても新鮮でした。
今まではなかった新しい人との出会い。業態や職種・仕事、Webにかかわらない事柄など、多くの物事を見て、Webや会社を外から見ることができるようにもなりました。とても貴重な経験でした。今何が起こっているのかを、いろんな立場から感じることができたのですから。
そして、会社を外から見る視点を持つこともできました。これはこの先に訪れる『起業の種』を見つけるのにとても大切なことでした。しかしながら、長くは続きませんでした。少し離れると、クライアントからは直接クレームが届いたり、社内で上手く物事が進んでいなかったりと、なんだかんだで、簡単には業務から離れることは出来ませんでした。その間にも半月…1年そして2年と時間は過ぎ去っていきます。そして、完全に離れることは叶わず、続くことになります。仕事と子育ての両立の中で、どちらも悪戦苦闘していた30代でした。
子育ても大変でしたので、仕事に割ける時間が減るとともに、会社の勢いも影を落としていきます。限りある時間でする仕事は、社内問題やクライアントトラブルを解決するだけで一日が終わる。会社を回すために埋没する時間を積み重ねる日々。このまま、この会社を続けて行く意義があるのか、これがしたかったことなのか?と…悩む日々でした。
でも、この30代の中に『起業』の種が転がっていました。
30代は後半にも差し掛かり、ついに『独立』から『起業』へ変化をすることになります。
最初は、会社にいる全てのスタッフの力を借りて、会社全体で独立型から、起業型へ変えるつもりではじめました。
会社でやるならみんなでと考えていましたので、現在いるスタッフの力を借りながら、新しい会社の未来に進もうと、歩み始めます。これがリニューアル前のお店です。
「独立」の頃から、ご相談いただく方にある種の共通点がありました。
これは今も同じです。きっとこれが、いろやに親しんでくださるお客様なんじゃないのかなと、うっすらと感じていました。
共通点となるキーワードは「暮らしと子供」でした。
暮らしに関わる仕事をしている人が多いこと、いつも仕事の話より暮らしや子供の話が多いこと、みんなが暮らしを自分なりの哲学を持って過ごし大切にしていること。その哲学について話をすることが多かったこと。そういう人と一緒に仕事をすることが多かった。そして、いつも穏やかな時間でした。
同じように熱心にこどもとの暮らしを考えている人が、他の地域にもたくさんいるんじゃ無いかなと、これまでと違う形で関わるため、対企業サービスではなくて、コンシューマー向けサービスを作ろうと、そう考えました。
今までの経験を活かして、サービスや商品を直接届けること。
40歳を手前にして、ようやく「起業」をすることに至ります。
仕事は、自分と向き合う旅
店長なりに大切にしていることは、「自分で考え、自分で決断し、自分で行動する」ということがあります。
必ず自分ですべての結果に対しての責任を負うこと。自分の人生は、自分で決めた方が絶対楽しいです。
そして、自分の性格上、日々を穏やかに過ごすこと。これをとても大切にしています。穏やかな気持ちでいられない物事は、長く続きません。結果的にその頃は会社もうまくいきませんでした。
仕事は自分を表す鏡のような気がしています。
今の自分自身の持っている最大値が、今できることだし、今判断できる最善案です。
でも次の日が来るとまた新しいできることが増え、最善案も変わります。
ダメだと思ったら、変えたら良い。
遊びは仕事、仕事は遊び。
自分自身を成長させてくれるし、生きるためにしていることでもあります。働いていること・遊んでいることが社会貢献になるというのはとてもありがたいです。そしてこどもにとって、遊びは生きることを学んで行くこと、成長して行く手段です。
ということで、今のお店に結びついてきます。
遊ぶことは自身を成長させてくれます。そして、生きることを学ぶ最適な手段です。
こどもにとって遊ぶことは娯楽を楽しみ時間を消費するためにあるのではなく、自身を成長させてまだ長くある未来へ繋がるための活動です。こども時代を大切に、自分の今での経験から感じたことを元に、そこを育むお店をすることにしました。
起業の目的・目指す規模は人それぞれ
『起業』というと、上場をすることや、会社を大きくすること、お金をたくさん儲けることが先行していて、それらが全てと考えがちですが、それが起業の全てではありません。別に上場を目的としなくても、小さい会社を持つことも、お金儲けをしなくても起業はできます。自分の足で立ち、自分で考え決断し、自分の人生を進んで行く。会社に勤めるとはちょっと違う視点で仕事に向き合うことができます。自分でその日の糧を得て過ごす。どこかの組織から給与が支給されない暮らしがスタートすれば、それは『起業』です。明日からでも、誰でもできます。
会社に勤めていれば、組織のために自分の時間や労働力を捧げることになります。
自分の時間を使うということは、命をかけるということです。
命をかけて過ごす時間で何をするのか。
せっかくなら過ごした時間で成長をしたい。
そして、時間を大切に使いたい。
その結果たどり着いたのが店長にとっては『起業』という形でした。
会社を小さくした今、会社を大きくすることはあまり大切なことではありません。
心穏やかに、自分と向き合い、一つ一つの課題を乗り越え、人との出会いを大切に、日々生きて、成長できればそれで良いなと思っています。きっと自分自身に知識や経験がつけば、ここでお届けできることももっと豊かになると思います。
それはとても楽しいことです、毎日ワクワクしています。
今はまだまだ、道の途上です。
これが店長なりの『起業』に対しての考え方です。