読み物
最終更新日:2021年11月30日
絵・写真・文:いろや商店の編集室
れんさいプロジェクト:いろやのこと
育児・子育てが苦手な新米パパ、苦しい会社経営の経験からたどり着いた『小さなお店』
こんにちは。いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ここ「いろやのこと」では、まったりマイペースにいろやのあらゆる側面のおはなしをお伝えしていければと考えてます。
お店をするに至ったこと、今考えていること、みんな大変と感じている子育て・育児。
育児・子育てをする環境はどんどん変化しています。
私自身、息子が生まれたことでそれを直接実感しました。その頃のことを整理するような気持ちで思い出してまとめたり、これからのお店のことについて書いたりするブログのようなコンテンツがここ「いろやのこと」です。
いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ご覧いただきましてありがとうございます。
育児・子育て苦手な店長が、こどもが主役で書いてますのでゆっくりご覧くださいませ〜。
失敗ばかりの会社経営
当店の原点となる「いろや」の屋号は、店長が20代前半、生まれ育った青森で過ごしていた頃にはじまり、その後神奈川県の川崎市で小さなデザイン事務所として正式に立ち上がりました。それから15年以上が経過し、今はオンラインショップを運営するに至ります。
当店を運営する株式会社いろやは、この『赤ちゃん・こどもを育むオンラインショップの運営』と、インターネット上で商品を販売・販売促進したいというクライアントの事業拡大をお手伝いする『グロースハッカー業務』の2つのサービスを提供している小さな会社です。
いろや商店の運営をする会社の前身は、Webサイトのプロデュース・デザイン・システム開発・運用とWebサイトの運営をワントップでサポートする業務をクライアントからお請けする制作会社になります。
フリーランサーから経営者へと立場も変化し、常に学びの毎日でした。自分が制作者として仕事をすることと、組織のマネージメントを必要とされる経営者の仕事では求められることが全く違います。実際にやってみないとわからないことがたくさんありました。
会社に対して関わってくださる人とのモチベーションの差、仕事に対しての向き合い方、なんにしろ私自身の若さ・マネージメントスキルの無さ。そのような中で、会社としての仕組みはつくれど仕組みが上手く回らないというジレンマの中で、闇の中を一人黙々と歩いている毎日が続いていたような感覚で居たことを覚えています。
その頃のことを少しずつ、気持ちの整理や時間の経過と共に書き出しているブログのような場所が、ここ『いろやのこと』です。
創業した当時(店長はフリーランスからスタートしています)は、Web技術者も多い時代ではなかったので、いろんな人に会うたびに仕事は増えて行き、とにかく忙しい毎日でした。
体力も有り余っていた20代でしたので、睡眠時間を削っては、Webサイト・サービス・ECサイトを立ち上げるというそんな日々を過ごしていました。あまりにも多くのサイトに関わったので、どれだけの数に関わってきたのか今や把握できていません。その過程の中で、自分自身の限界も知ることになります。
もっとクリエイティブな人同士がお互い切磋琢磨できるような仕事環境・組織・仕組みを作りたいと。そう思って、法人化に至りました。場所や雇用形態に縛られず、一般的な組織枠にとらわれない自由な仕事環境の中から、新しいアイデア・クリエイティブを発揮してほしいと考えたのです。
今でいうリモートワークと呼ばれるものに近い形(先駆け?)でしたので、柔軟な組織形態に関心を持ってくださる人・会社も多くありました。
ところが、理想を掲げたところで、私にそのマネージメントスキルはありませんでした。理想と現実の板挟みですね。
新しい価値を生み出すために作ったはずの組織は、いつの日か流れてきた仕事を流れ作業のように淡々とこなす、価値を生み出さない請負会社になっていました。創業の頃に掲げていた、丁寧に仕事をすること、暮らしをクリエイティブの源にして、全身全霊で価値あるご提案し続け、クライアントを次のステージへ上げていくこと。それらを会社全体を通して達成することは、残念ながらかないませんでした。
そんな中、震災・不景気などにあおられる形で、大中小とクライアントからの未払いが続きました。
仕事を生み出す力のなくなった会社(流れる仕事を追う会社)。は、仕事が流れなくなったことで、どんどん転がり落ちていきます。会社も組織化されると一人で解決できることは多くありません。そのため、負の連鎖はどんどん続いていきます。この大変な日々をこのまま続けるべきか…、悩んだ末に出した決断は、会社を小さくすることでした。
会社経営と、苦手な育児・子育て
法人化する少し前。店長が30歳の時、息子が誕生しました。
仕事で忙しく24時間仕事の日々の中で訪れた人生の転機となったのは、こどもが生まれたことです。
嬉しい気持ち・幸せな気持ちとは裏腹に、育児・子育てはとにかく辛く過酷な日々でした。今でいう『孤育て・ワンオペ育児』です。
ほぼ寝る時間もなく、夫婦ともに疲労困憊。そして忙しい仕事の日々。何かを変えなければいけないと感じる人生の転機でした。
新米パパとして、右も左も分からない日々。
あらゆる壁にぶち当たりながら、一つ一つ突き破るの連続です。一つ乗り越えればまたすぐ次と訪れます。
子育て・育児の辛さや苦しさから逃げたいという気持ちがそうさせたのかはわかりませんが、子育て・育児が大変になるにつれ、仕事が増え会社は大きくなっていきました。
体力的にも精神的にも大変な育児・子育ての時期でした。でもその経験が今このお店につながっています。
会社を小さくして、お店を開く
今運営しているこのお店は、リニューアル後(2代目)です。実はこの前に2016年頃からECサイトはありました。
インターネットで検索すればその名残を見つけることができるでしょう。一度残った軌跡は、消すことができません。(苦笑)
この事業をスタートしたのは、いつもクライアントを介して接していたユーザーと直接やり取りすることをしたいと考えたことにあります。
そして、赤ちゃん・こどもが手にする物、過ごす環境。
自分自身が父親となったからこそ見えてきたことや感じたことがたくさんありました。
これを、事業にしようと。そう思ってスタートしたのがこのお店です。
今までの苦労が身を結んでいるのか、おかげさまで順調に推移しています。
せっかく小さくしたのだから、創業の頃に立ち戻って一つ一つの仕事を丁寧に、人と人をつなぐことを丁寧に仕事していこうと。
穏やかな日々が何よりも店長は好きです。
マイペースで穏やかに、お店づくりから、自分が経験してきたことや人との出会いを残すという意味でも、このコラムをスタートすることができるようになったのも、このような流れと共にです。
おもちゃ・絵本を中心に販売する、小さなお店づくり
当店は、他店との競争などは全く考えていません。
自分たちらしいお店、自分たちにしかできないこと。
素晴らしく奇抜なアイデア、圧倒的な技術・知識がない中、「流行に左右されず、クラシックで、いつの時代でも大切なことを丁寧に大切に伝えていくこと。」関わる全てのお客様に対して、これらを大切にしながら、一つ一つの物事を丁寧にすすめること。
これが、いろやの原点として大切にしていたことです。小さいお店として、もう一度創業の頃の原点に戻って事業をするところへたどり着きました。
暮らしと、仕事はセット。
暮らしを作るために仕事があり、価値ある仕事は価値ある暮らしを生み出す事と考えてます。
仕事は暮らしの中にあるもの。暮らしを語る上で、仕事は切っても切り離せません。
私たちは、大量生産・大量消費という消費活動から一歩離れることにしました。
暮らしの中で大切に付き合える商品をマイペースに、ゆったりとした心持ちでお届けする事。そして、商品・コンテンツを大量に生産し販売し消費を促すのではなく、「こどもが主役な暮らし」を応援するサイトとして、商品もコンテンツもお届けするなかで、自然の大切さ・こどもと過ごす時間の大切さ・幼少時代に必要なことなどを学ぶきっかけになればと考えています。
店長自身も日々学びながらです。お客様と一緒に学んでいければと考えてます。
当店では、下記の通りにコンセプトを定めています。
- こどもが主役
- 徳育・食育・体育・知育・才育を育む
- 人と自然の共存・共生
- 自然から育まれた素材
- サスティナブル
- 生体(生きている状態の動物・昆虫など)ではない
- 自身を豊かにできること
- 消費ではなく、クリエイティブの源になること
- 非大量生産・非大量消費
以上のルールを持ちながら、こども向け商品の開発や、商品の選定を行っています。
『徳育・食育・体育・知育・才育』を育む、ショップへの成長
こどもにとって大切な幼少時代の学び。そして、こどもの環境を作る親が大切にするべきこと。これらを日々学んでいます。
当店では、『徳育・食育・体育・知育・才育』を育むことがその一つであると考えています。自分の個性を見つけ磨き、学び、体を大切に、人と協力しあっていきていくことができれば、自分自身を豊かにし、楽しく人生を生きていく力になると考えています。
ただ、赤ちゃん・こども向けの商品を集めて置いているのではありません。
赤ちゃん・こどもが過ごす環境を作るのは、親の大切な役目です。それを店長自身とても痛感しました。誰もが人生の1分1秒と戻ってきません。お金以上に時間はとても価値の高いものというのが店長の考えです。未来が果てしなく広がり、たくさんの失敗もできる幼少期だからこそ経験して欲しいこと。その時に必要になる「おもちゃ・雑貨・絵本・図鑑・児童書・家具・インテリア」を販売するお店です。
『自然・野生・こども』を研究しながら過ごす
私たちが取り組んでいることは、商品が生み出される過程から使われるまでが「消費」とならない、自然の営みの中で回る未来につながる仕組みづくりです。
当店のフィロソフィーでもある「人と自然との共存・共生」の一歩として大切にしています。
そして、これらをこどもたちの未来へつなげていくこと・こどもたちへ届けていくこと。素材・生産・製造・そして手に届くまで、エコシステムで繋がるというのが、私たちがものづくりをする上で最も大切に考えています。
ということで、「いろやのこと」では、商品の開発から選定に至るまでのいろやの内側から出てくるものを垂れ流していければとも考えています。