読み物
最終更新日:2022年5月5日
絵・写真・文:いろや商店の編集室
れんさいプロジェクト:いろやのこと
おもちゃ屋さんが減った?いつの時代も大切な、赤ちゃん・こどもが喜ぶおもちゃ屋さんの役割
こんにちは。いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ここ「いろやのこと」では、まったりマイペースにいろやのあらゆる側面のおはなしをお伝えしています。
今回は『おもちゃ屋』らしく、おもちゃ屋のあるべき姿について少し考えてみることにしました。
最近めっきり減ったと言われる『おもちゃ屋』。店長が小さい頃は、お小遣いを片手に、おもちゃ屋へ遊びに行くのが楽しみで、楽しみで、仕方なかったです。その日にどんな楽しい物を家へ持ち帰られるかを想像するたびに、前の日からワクワクが止まらなかった。そんな思い出の場所が『おもちゃ屋』です。
でも最近、少子化と騒がれるようになってから街のおもちゃ屋が減ってきたと言われています。
こどもにとって『おもちゃ屋』は、お菓子屋さんなどに次いで、数あるお店の中でも人気が高く行きたい場所なはずです。それがどんどん減っているのは、少子化だけが原因なのだろうか?とも考えています。もちろんゲームなどは、おもちゃ屋へ行かずともインターネットからダウンロードをすることで商品が買えたり、ネットショップで手にも入るようになりました。けれども、それだけではないような気もします。
ここは立ち止まって『おもちゃ』について、もう少ししっかり考える必要があるんじゃないかな?と、勝手に考えたのでした。
店長が『おもちゃ屋』をはじめるに至ったきっかけは、子育て中におもちゃに助けられたということもありますし、おもちゃを選ぶ立場から様々な事を感じたなど、たくさんの理由があります。そういったことを今回は書いて頭の中を広げて行く中で、「赤ちゃん・こどもを育む専門店」を運営するに至った理由をここに記すことになるのではないかと感じてます。そのようなわけで、時代の流れに流されず、マイペースに営む『おもちゃ屋』としてここに書いてみようと思います。
いろや商店の店長のおおま(@iroyaonline)です。
ご覧いただきましてありがとうございます。
育児・子育て苦手な店長が、こどもが主役で書いてますのでゆっくりご覧くださいませ〜。
育児・子育てをする親からみた『おもちゃ屋』
『おもちゃ屋さん』というと、どんなお店を想像されますか?
最近では、大型家電店のフロアの一つになっていたり、おもちゃに限らずベビーカーやベビー用品・ベビー服などを扱うお店も増え、大型店の品揃えの豊富さに、どこからどこまでが『おもちゃ屋』と言っていいのか、わからなくなりました。かと思えば、商店街の片隅でメンコや凧・コマなどの古典的なおもちゃを扱っているような小さなおもちゃ屋もあります。プラモデル専門店、フィギュア専門店、ゲームショップなどの専門的も出てきました。
これら以外にも、おもちゃに出会い・購入できるお店として、雑貨店やアパレルショップ・インテリアショップ・書店も増えました。今の時代『おもちゃ屋』と一言で言ってもいろんなお店のカタチがあります。
田舎で育った店長にとって小さい頃の『おもちゃ屋』のイメージと言ったら、街に一つある大きなおもちゃ屋さんでした。
ゲームやプラモデル・ディズニー・ウルトラマン・仮面ライダーなどのキャラクタグッズが所狭しと置いていて、パフパフ・シャンシャンとタンバリンを叩いている人形が常に動いていて、テレビCMでよく目にしていた憧れのキャラクタグッズがたくさんあるお店が『おもちゃ屋』というイメージでした。90年代の話です。
それから少し経つと、ゲームが並ぶようになり新作のゲームに並ぶ店といえば『おもちゃ屋』でした。あくまでも、店長の小さい頃の主観です。
そんな店長も大人になり、今度は自分のためではなくて、自分のこどものために『おもちゃ屋』へ行くことになりました。自分の子供時代の『おもちゃ屋』と、育児・子育てをする親になってから行く『おもちゃ屋』の印象は随分と違いました。
ちなみに息子が生まれたのは、店長がちょうど30歳の頃です。自分自身がこどもだった頃からは20年以上の月日が流れているため、単純に自分が歳を重ねたので『おもちゃ屋』に対してのイメージが変わったのか…、とも考えました。
本当に『おもちゃ屋』は減ったのでしょうか?
『おもちゃ屋』を営んでいる店長の実感としては減ったと感じません。それはなぜかというと、おもちゃに触れる機会は自分が小さかった頃に比べて格段に増えたからです。実際のところ、おもちゃの販売量が減ったかと言われればそうではなく、おもちゃ市場は成長を続けています。
いわゆる旧来型の『おもちゃ屋』がなくなってきただけで、お客様の求める『おもちゃ屋』が変化しただけなのです。
以下では、おもちゃ市場のデータが公開されています。
『おもちゃ屋』と呼ばれるお店は減りましたが、商品の一部は専門店化し、購入先も多岐に渡ります。
例えば、フィギュアの専門店やプラモデル専門店なんかはそれにあたります。店長も小さい時、プラモデル専門店の2階に大型のミニ四駆コースが設置されていて、そこへ毎週のように通いました。これらは専門店化しましたが、おもちゃ屋とは誰も言いません。ゲームも、アーケードゲームがありソフトやハードウェアを販売するゲーム専門店ができ、カードゲームもカードゲーム専門店でカードの売買ができそこで遊ぶことができる。人気のジャンルはすぐ専門店化します。いわゆる多くの人が言う『おもちゃ屋』は、おもちゃの総合ショップです。たくさんのおもちゃが置かれ、おもちゃだけが置いている店。おもちゃのスーパーマーケットです。
さて、店長は大人になり、『おもちゃ屋』に対して求めることが変わりました。
テレビでも見かけるような最新のおもちゃを常に棚に置き、テレビのアニメ・キャラクタ番組の変化に応じて品揃えを変え、新鮮で刺激的なおもちゃがあるお店。ほんとうにこれが『おもちゃ屋』のあるべき姿なのだろうか?と。
おもちゃをいったん脇に置いて、こどもが成長する上で必要な物ってなんだろう?と、息子と向き合ったときに強く感じました。おもちゃって本当は必要ないんじゃないか?とか、『おもちゃ屋』に置いているおもちゃを買い与えることが、こどもの成長にとって正解なのか?ひねくれているわたしは、それに対して向き合うことにしたのです。
『おもちゃ屋』に必要なおもちゃって何だろう?
おもちゃと一言にいっても、年齢ごとに必要とされるおもちゃの機能は変わります。
たとえば、生まれたばかりの赤ちゃん・乳幼児が使う「ファーストトイ」に求められる機能は、それほど複雑ではありません。まだまだ身体機能が発達していない赤ちゃんの頃は、簡単なおもちゃで良いのです。それは今も昔も変わりません。
この時期に大切になるのは、親子のスキンシップ・コミュニケーションです。お父さん・お母さんが赤ちゃんと一緒になっておもちゃなどを使って遊ぶことで、親子の絆を強くしていきます。パパ・ママがいつも近くにいて、安心感を得ること。赤ちゃんにとって何事にも変えがたい時間です。店長が育児をしていた頃は、こういうことを『おもちゃ屋』から学ぶ機会はありませんでした。
『おもちゃ屋』へ行けば、赤ちゃんというよりもう少し大きな小学生や中学生が好きなおもちゃがたくさんあります。そのようなわけで、息子が赤ちゃんの頃に遊んだおもちゃは、どれも『おもちゃ屋』で買うことはなく、雑貨店などで目に留まった物を買い揃えました。
子育てで忙しく、時間のない中足を運び『おもちゃ屋』に行ったにも関わらず、欲しいと思うおもちゃがなかったときはとてもショックを受けました。こどもにとって本当に必要なおもちゃはどこに行けばあるのか?この頃からこどもにとって本当に必要なおもちゃを探す旅は始まった気がします。
そして、こどもが幼稚園・小学校にも上がると、こどもの遊び方も大きく変わります。
こどもの将来の職業や、あるべき姿のようなものを親が意識するのもこの頃からです。
こども自身の好きなことがハッキリしていれば、スポーツ用品店がその子にとっての『おもちゃ屋』のような存在になりますし、文房具屋や、スーパー、楽器店など、こども自身の好きなものがたくさんあるお店が、その子にとってのいわゆる『おもちゃ屋』のような存在へと変わっていきます。
店長の息子は小学校の低学年の頃は野球にのめりこみました。本人が頑張り、全国大会で優勝するにまで至りますが、その頃は毎週のようにスポーツ用品店へ行きバットを振ったり、グローブを探したり、その顔はおもちゃ屋さんで欲しいものを手に入れたい!と思っている時の顔でした。
こども自身のできることが増えて来たり、将来の夢のようなものが漠然と見えてくると、親としては将来に向けて期待が膨らみます。
この頃から、いわゆる幼児教育としてのおもちゃを求められるパパ・ママが増えてきます。
「こどもが主役」で考えながら、この年齢の子に対しての『おもちゃ屋』のあるべき姿にも疑問を感じはじめました。店長にとっては、書店やスポーツ用品店、雑貨店など様々なお店からおもちゃを買い息子と遊ぶ日々。
この頃もいわゆる『おもちゃ屋』にいくことはありませんでした。
こどもが成長する中で、おもちゃはこどもの暮らしの中心にいつもあります。
『おもちゃ屋』にとって、置くべき必要なおもちゃとは何か?テレビCMやアニメ・キャラクタ番組で流れる流行している製品を棚に並べ、それが『おもちゃ屋』だと言って良いのか?こどもがそれを手にすることで、将来や自身の夢に繋がるのか?体も心も成長する大切な幼少期に触れるモノ。
親として与えるのがそれで良いのか、ふと考えることはないですか?店長もそれを考えました。
こどもの成長にとって、必要なおもちゃはそんなに多くはないんじゃないか?とも考えました。
毎月新しいおもちゃを買ったり、手に入れたりは必要ありません。それよりも、一つのおもちゃの遊び方を工夫するなどして大切に長く使うことです。それは、物を大切にする心・一つの物と長く付き合う心を育みます。
時代の流れに関係なく、こどもの成長にとって、本当に必要な長く使えるおもちゃを揃えることが『おもちゃ屋』のあるべき姿なのではないか?と。ここに、店長が店長の考える『おもちゃ屋』をはじめるに至ったきっかけがあります。
自分自身こどものために良いと思ったおもちゃ屋に出会うことがなかったと言うのはとても大きかったのです。
『おもちゃ』が前にあるのではなく、『赤ちゃん・こどもを育むこと』の方が前にあり、その手段として『おもちゃ』は存在しているのです。
オンラインショップでは、こどもが遊びに来ないから失敗なのか
ここまでは、主に店舗の『おもちゃ屋』について触れてきました。
さて、当店は店舗がありません。インターネット上をゆったりと漂うオンラインショップです。
これではこどもが遊びに行けないし、こどもがおもちゃに触れる機会がいないので、こどもにとってのワクワク感はなく、おもちゃ屋として大切なこどもがどこかに置き去りにされています。全然こどもが主役ではないじゃないか?と。
実は、これについては店長も少し葛藤しました。
当店は、0歳から小学校卒業頃のこどもたちが扱うものを中心に揃えています。
この頃は子ども自身が自分の部屋・暮らしを作るよりも、周りにいる大人がこどもの暮らしを作り・支えることが多い年齢です。こども自身の欲しい!はもちろんあるけれども、親として本当にそれを与えるべきか、与えないべきか、一度立ち止まって考えることは大切なことだと感じています。
こどもは自身の欲求や好奇心をストレートに大人に伝えます。それはとても大切なこと。こうありたい!これが欲しい!と自身の描きたい世界観を訴えるのですが、飽きやすいという点もあります。自分で描き、達成するというサイクルが早いんですね。(苦笑)
こどもの遊び場として存在していたおもちゃ屋さんですが、そこにこどもが遊びに来る必要がそもそもあるのか?と言うことから考え始めました。こどもが遊びに行く場所です。体を思いっきり動かして、成長につながる場所へ遊びに行って欲しい。
そう考えたときにすぐ頭に浮かんだのは、『自然』でした。
『自然』を大切にすれば、遊ぶ場所に困ることも、生きていくことに困ることもありません。
そして当店は、赤ちゃん・こどもと過ごす中で必要になるであろうおもちゃを中心に取り揃えています。こどもが、このおもちゃが欲しい!という気持ちも大切だけど、山へ行くのが楽しい!鳥が好き!恐竜の事が知りたい!と、遊びの欲求に適した遊びの道具としてのおもちゃを提供していきたいと考えています。
赤ちゃん・こどもの成長にとって、必要なおもちゃを大人がしっかり考えて気持ちを込めて贈る。
こどものおもちゃに対しての好奇心ではなく、こどものしたい!やりたい!好き!が実現できるような製品を揃える。
そこに『おもちゃ』が存在しているお店。
それを実現するのが、こどもにとってのあるべき『おもちゃ屋』なのではないか?と。
そのためにはオンラインショップというカタチはとても良いのではないかと、結果的に思うに至っています。
そのようなわけで、おもちゃを扱っていますが『おもちゃ屋』とは名乗っていないんです。
『おもちゃ屋』は、こどもにとって夢の世界
『おもちゃ屋』はこどものしたいこと、やりたいこと、表現した事を実現できるモノが揃っている夢の世界となります。
これは、おもちゃ屋にとっては何よりも大切にしなくてはいけないことなのではないか?と感じるに至りました。おもちゃに惹かれるのではなく、こども自身が自分の描いた世界観を広げ、自分自身を豊かにするために、おもちゃを使って成長していく事。親はその手助けをし環境を整えサポートしていく。『おもちゃ屋』はそれらを提供する場所。
寝る前に絵本で読んだお話を実際に実現してみたい。外に出かけた先で見かけたものを家の中でもっと大きくして遊びたい。家の中でも動物と一緒に暮らしたい。学校のお友達と一緒に暮らしているような遊びをしたい。など、こどもにとっては現実にできること・できないことの境は関係がなく、したいこと!を実現するために必死になります。
本物ではなくても良いのです。それに近いものがあれば、こどもの想像の世界の中ではそれが現実になります。
こどもの好きなこと、実現したいことを、応援しそれに必要なモノを親が理解し与えること。
こどもにとっては自分の好きなことを応援してくれるのが親なら何よりも嬉しいです。それは、親と子の絆になります。
そう考えるところから、親子にとって必要な『おもちゃ屋』を目指すことにしました。
こどもの成長と、親子の温かな未来を願う『おもちゃ屋』の姿
親子で成長する事ができる『おもちゃ屋』。
パパやママになる大人にとっても、こどもが生まれ、一人の人を育てるにも初めてのことばかりです。赤ちゃん・こどもが育まれることは、親も育まれると言うことです。こどもから学ぶことはたくさんあります。
店長もこどものおかげで父親にしてもらったと感じています。
ここまで、『おもちゃ屋』について書いてきました。
おもちゃと呼ばれる製品を棚に並べ、それをこどもや親に見せ、こどもの興味関心を引くというのも、『おもちゃ屋』の一つのカタチです。店長にとっては、それがこどもの成長にとってとても良い、素晴らしい夢のような空間とは思えなくなったというのは、自分自身の幼少期から、父親となった時の大きな変化でした。
こどもの周りにいる大人たちが、赤ちゃん・こどものことを想い、そのときに必要だと思われるお店。
こどもの成長や未来を想い、それに必要なものを探すときに必要とされるお店。
これが店長の目指す『おもちゃ屋』です。
そこへ向かって、日々学びながらより良いおもちゃ屋さん目指して頑張っていこうと、書くことで頭が整理された気がします。
『知育玩具』の購入を考えたけれども、何を選んだらわからないという方は「人気・おすすめ『知育玩具』おもちゃ選びの専門家が徹底解説!」を参考にご覧ください。
最後に、当店では一人一人にあった『遊び道具・遊び方』をお届けする定期便を提供しています。何を購入したら良いか?と悩んで結論の出なかった方は「絵本選書とおもちゃ・知育玩具の定期便・定期購読『いろや商店くらぶ』」のご利用も検討くださいませ。目標を決めて取り組むなど、通信教育のようなイメージで楽しんでいただくことも可能です。